2016年10月13日 (木)

授業雑感

半年間の授業が終わった。大変だったーーーーー…けど楽しかった。今期の授業では、がっつりワシントンマニュアルに取り組んだ。ハリソンと並ぶ2大教科書ともいえるワシントンマニュアルだけれど、ハリソンが学生向けに書かれているのに対してワシントンマニュアルは医者向け。こまごました説明はすっ飛ばされているし、「医師なんだからこんなこと言わなくても判るでしょ」と言わんばかりの書き方なので読む側には相応の予備知識が求められる。だから字義通り(原文の字面通り)に訳すとナンノコトヤラ?になる部分も多くて面白い。市販の訳書も同様で、医師向けにこなれた書き方になっており、誤訳満載のハリソンに比べると翻訳がとても上手な印象を受ける。日本の状況に合わせて翻訳のほうでは内容が異なっている部分などもある。まぁハリソンとは全体のボリュームが違うから仕方ないともいえるけれど(ハリソンではそんな個別対応をしている余裕はないんでしょうね)。

そんなわけでどちらも内科の教科書だし、原書と訳書を見比べてアレコレ考えるという意味では同じようなことをやっているのだけれど、ハリソンとワシントンマニュアルではアプローチがまったく違うし、ワシントンマニュアルのほうが和訳が上手いのでお手本にしたくなる訳し方も多い。それを念頭に入れたうえでの授業。調べ物が多くて大変だったけれど、熱心な生徒さんたちに恵まれて半年間を無事に完走。山のような各種積ん読の資料、解剖学書、薬理や生理学の教科書、心電図の読み方、統計の講義などなど、本やビデオをひっくり返しながら授業の参考資料を作成し、書籍や参考ウェブサイトを生徒さんに紹介したり、トレーニングビデオを見ながら疾患クイズを一緒にやったり、自分自身にとっても、非常に良い勉強になった。心電図踊りをやったりとか(笑)←生徒さん命名。アレのおかげで12誘導心電図はもう絶対に間違わない(≧▽≦)

伝えたい情報がアレコレありすぎて、そのくせ脱線して別の話題で盛り上がることも多く、だから授業時間がオーバーすることも多くて、生徒さんたちも夜遅くまで大変だっただろうと思う。授業の直前に資料の印刷や準備をお願いして事務局の方にも毎回バタバタさせてしまったし…(はい、私がギリギリだから悪いのです)…でも毎回の授業で少しでも多くのことを得てもらいたかったし、きっと得てもらえただろうと思う。

次の授業開講予定は来年の4月なので、私の授業担当はしばらくはお休み。その間に資料の練り直しができるといいな。来期も楽しい授業になりますように。

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2016年10月 8日 (土)

付け焼刃

産業翻訳に従事している人は、分野を問わず大きく2パターンあって、語学系出身者と技術系出身者に分かれる(両方を兼ね備えている人ももちろんいるけれど)。平たくいうと、語学系は、まず語学ありきで翻訳業に参入してきた人たち、技術系は専門知識や経験が先にあって、そうした知識を活かすために産業翻訳に入ってきた人たちと言える。私は典型的な前者で、英語が好き、英語以外にロクな取り柄がない、ほかにやりたいこともない…というタイプ。技術系は、たとえばIT分野の翻訳ならプログラマーだったり、IT企業勤めの経験が長いなど、金融系なら金融機関の勤務経験が長かったりファイナンシャルアドバイザー資格があるなど、法務翻訳なら企業の法務部経験や法律事務所でのパラリーガル経験があるなど。語学先行系の人は後から専門知識を学び、技術先行系の人は後から語学を猛勉強する。こういった、語学系と技術系の違いはどの分野も似たようなものだけれど、医学系に関しては「医療資格」-医師、看護師、薬剤師-という、他の分野にはない国家資格がそびえたつ。むろん他の分野でも、弁護士資格を持った法務翻訳者、税理士資格を持った金融翻訳者もいるかもしれませんが…ともあれ、この医療資格には太刀打ちできないわけです。まぁ別に医者や看護師になりたいわけじゃないんだから比べたって仕方ないんだけど。

でも、そういった専門知識バリバリな方々と、私のように語学先行系で専門知識が後付けの人間とが、意外と同じ土俵に立っている(…と言っていいのかどうか心もとないが)…かもしれない…のが、医療統計である。比較的文系出身者と思われる語学先行組も、理系出身者が多いと思われる技術先行組も、医療統計が好きとか得意という声を聴いたことがない。みんなそろって、「うわー統計!ニガテ!判らない!」という。もちろん私も判りません。翻訳学校の医療統計セミナーに何度か行ったことがあるが、付け焼刃ではやっぱり難しい。でもこの分野の翻訳で統計は避けて通れない。医学部出身で数学が大好きという知人に、「統計、お好きですか?」と聞いたら、「大っ嫌い!全然わからない」と言ってたのでちょっとホッとしたことがある。数学が好きな人でも統計は嫌いなんだなぁ、と。でも、どうにかしないと、という焦りはいつも感じている。

勉強会仲間が昨日出席した学会の書籍コーナーに、判りやすそうな統計の本があったと教えてくれた。その場ではゆっくり見られなかったそうだが購入を検討中とのこと。そういう場で売っているということは、つまり(学会は基本的に医者向けなので)、医者も判りやすい統計の本を探しているということだ。ちまたには、サルでもわかるかのように初心者向けや判りやすさを謳った統計の本が山ほどあるけれど、実際、「コレは本当に判りやすい!」と思った本には私は残念ながらまだ出会えていない。。。ただ、教えてもらった本をネットで探してみたら翻訳本だった。そして私は原書(英語版)を実は持っていた! 確かに原書は数ある統計の本の中でも判りやすくて結構お気に入りの本だった。この本に和訳があったことを知らなかった。。。これはちょっと見てみたいかも。

仲間が教えてくれた書籍はコレ。

たったこれだけ!医療統計学
https://www.amazon.co.jp/dp/4765316300/
Tattakoredake

私が持っている原書はコチラ(第2版)
Medical Statistics Made Easy
https://www.amazon.co.jp/dp/1904842550/
Medicalstatisticseasy

実は私が頼りにしている統計の勉強方法は書籍ではなくビデオ。たまたま見つけたこちらのレクチャー、医療統計ではなく普通の(数学としての)統計学なのだけれど、ものすごく判りやすくてファンになってしまった。

Mastering Statistics - Volume 1 by Jason Gibson
https://www.amazon.co.jp/dp/B01GUP9PLI/
Mathtutor
作者のホームページはこちら。
http://www.mathtutordvd.com/

こちらからサンプルレッスンを試聴できます。レッスンによって時間はバラバラだけど平均して1レッスンあたり15~20分くらいという短さなのも視聴しやすくていい。
http://www.mathtutordvd.com/products/Mastering-Statistics-Vol-1-6-Hour-Course.cfm

このJason先生、もともと数学の先生というわけではなく、工学部や物理学系出身でNASAで働いていたという変わり種(?)。ちょっと偏見で申し訳ないのだけれど、バリバリ理系タイプの方はあまり説明や話し方がうまくないのでは、と思っていたのだけれど、この先生、ほんっとに話がうまい!(そして超絶早口である…でもシンプルな言い回しだし身近な喩えが多いので聞き取りやすい)。結局、今のところ私にはこの先生のレクチャーが一番判りやすい。現在4巻まで視聴しながら勉強中。付け焼刃な知識がいずれちゃんと使い物になることを願いつつ…。

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2016年10月 7日 (金)

テキスト

ときどき話題に出している、私が初めて通った翻訳学校。講師が現役医師で、アメリカでも臨床経験がある方だったのでテキストは当然ながら海外モノだった。私は当時すでに製薬会社での勤務経験もあったし、業界内のこともある程度は知っていたけれどズブの素人には変わりはないわけで、会社の図書室にステッドマンが転がっているのは知っていたけれど(というか日常業務で使っていたけれど)、いわゆる業界の定番テキストについては何も知らなかった。だから、その学校に通い始めた初回の授業で、ハリソンやセシルの名前を初めて聞き(そしてその後に会社の図書室に行ったらハリソンが置いてあって感動したものです)、ナンノコトヤラ判らないまま、でもとにかく必死にメモだけはした。内科はハリソン、外科はサビストン、解剖学はネッター、薬理はグッドマン・ギルマン、などなどズラっと各科ごとの定番テキストを滝のように並べたてられて、「ナンノコトヤラ判らないけどいつか読む!」と心の中で思っていた。そうして今、仲間たちとハリソンを読む勉強会を続けていられるのが非常にありがたい。

そのときに、日本語のテキストで勉強してはダメだと言われた。別にそれを鵜呑みにするわけではないし、日本語にだって良い教科書はたくさんあることも今は判っている。でも翻訳に従事している以上、日本語だけ、英語だけで勉強してもインプットが足りない。やはり両方を並べて見比べることができるのは非常にメリットが大きい。両方並べることで初めて、「あれ、原文と訳文の言ってることが違う…(=どちらかの記載が間違っている。原文が違うこともあれば、単純に訳文の方が誤訳のこともある。誤った原文を正しく和訳してる部分は感動モノ)」とか、「あれれ、原文がバッサリ削除されてる(=日本の事情と異なるために和訳版では記載が削除されているなど)」など、見比べているからこそ気づくことが多々ある。

そんなわけでもともと海外版のテキストが好きな私だが、インターネット時代になって、ますます海外版テキストにほれ込んでいる。付属DVDなどで図やアニメーションなどがみられるのは当たり前だが、海外版のテキストは購入者用のウェブサイトにさまざまなサービスがある。日本のテキストにもそういうものがあるのかどうかは知らないのだけれど、最近の海外版のテキストは、購入者ではなくても、誰でも無料でみられるアイテムも満載なのだ。

たとえばこの本。和訳版は「大学生物学の教科書」で有名だけど、訳本のほうは確か第8版準拠で、原書のほうは第10版(そろそろ第11版がでそうな気がする)。

201610lifecover_2
Life: The Science of Biology
https://www.amazon.co.jp/dp/1464141223/

Sample_3

先日のJAMT翻訳講座の内容がDNA複製フォークに関するものだったので(NATUREの論文を取り上げてしまったので非常に内容が難しかったのだ…)、複製フォークについていろいろ調べているときにこのテキストを開いたら、アニメーションがとても判りやすくて感動したのだけれど、それ以上に、「ネット上で公開されていて誰でも見られる」ということに衝撃を受けた。こんな素晴らしいサービス、日本の教科書でやってくれてるところはあるんだろうか?(もしあるなら、ご存知の方はぜひ教えてください)。LIFEのテキストの中には、いたるところにこのようなQRコードがあり、それを読み取るか、あるいは記載のURL(この場合は【Life10e.com/at13.4】)をそのままアドレスバーに貼りつけるだけで動画を視聴できる。今までときどきこの本を開いていたのに気付かなかった自分はなんてアホなんだろうと思った…orz

もうひとつ、こちらのテキストも参考資料が豊富。

201610virologycover_2
Principles of Virology 4th
https://www.amazon.co.jp/dp/1555819516/

テキスト内にバーコードやQRコードがあるわけではないが、そのものずばりでURLがたくさん記載されている。こちらも動画やインタビュー、画像など、情報がテンコモリで誰でも見ることができる。

201610linksample_2
こういった資料を潤沢に学習者に用意してくれるというのは本当に素晴らしい。日本の教科書は値段もさることながら、学習者に対して少し閉鎖的に感じる。オンライン講座も、GAKKOを始めとして日本でも少しずつ専門的学習ができるサイトも増えてきたけれど、それでもまだまだ、海外のKhanやCourseraのように、びゅんびゅん勉強できる環境が整っているとは言えない。まぁ私もなかなかKhanやCourseraを使いこなせてはいないのだけれど。オンライン講座は締め切りに追われてしまうけれど、テキストなら自分のペースでゆっくり読んだり調べたりできるので、これからも海外版のテキストを愛用させていただくつもり☆
gacco講座
http://gacco.org/

Khan Academy
https://www.khanacademy.org/
https://ja.khanacademy.org/

Coursera
https://www.coursera.org/

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2016年10月 6日 (木)

シーズン

以前から市民講座とか医大の一般向け講座などにチョコチョコと出掛けることはあるけれど、本格的な学会は会社勤めしていたときに仕事で何度か行ったことがあるだけで、一般参加者として学会に行ったことはない。私が10年以上前に初めて通った医学翻訳学校の先生(現役医師)は、機会があればバンバン学会に参加しなさい、とおっしゃってくださったけれど、敷居が高い(内容も金額も…)というのがブレーキになって、今まであまり食指が動かなかった。んが。今月は学会シーズンで毎週末のように大きな学会があり、勉強会仲間がこぞって出席するらしい。置いて行かれる感が満載…。いや別に、人がどうしたからってそれに振り回される気は全然ないが、1人で行けば難しすぎて手におえない内容でも、仲間と行けば少しは理解の度合いが高まる…かも…しれない?

今月1日は国立感染症研究所で年1回の施設一般公開があり、それも勉強会仲間と一緒に行ってきた。私はパネル展示や体験型実験コーナーなども、ちょっと遠巻きにサラ~っと見て回っただけだったのだが、スタッフ(感染研の職員さん)に何度も質問する勉強会仲間たちの熱心さを目の当たりにした。うむー、すでに置いて行かれてる。。。今週末は日本癌学会、東京大学のウイルス展、来週末は埼玉医科大学の市民講座(感染症)、さらに日本血液学会、癌治療学会と続く。癌治療学会では今もっとも旬な話題の、ノーベル賞受賞者大隈先生のレクチャーもある。みんなこれは絶対に聴く!と今から盛り上がっている模様。うううう~ん、でも私は聴いても判らない自信があるので迷っている。それとも、一流の研究者の話は理解できなくても聴くべきなんだろうか。翻訳学校の先生が、「機会があればバンバン学会に~」と言っていたのも、内容が判っても判らなくてもそういう場に行って、そういう研究の最先端の空気に触れて、最先端の研究テーマの単語をひとつでも拾ってこれたらそれで価値がある、ということだったので、内容理解まで求める必要はないのだろうけれど(こちらは研究者ではなく、所詮シロートなのだし)。

食欲の秋、芸術の秋、スポーツの秋だけではなく、とにかく10月は学会シーズン! 年に1度の開催だし、毎年東京(関東)開催とも限らないのだし、せっかくだから行きたいと考えてはいるが…キャパオーバーになりそうで迷い中(^^;

ちなみに私が参加を検討中のものはこちらデス。
日本癌学会学術総会
http://www.congre.co.jp/jca2016/index.html

2016年10月9日(日)&10日(祝)
東京都眼科医会市民セミナー
http://www.tougan.org/tomin/Tokyo%20Eye%20Festival%202016.pdf

健康と医学の博物館@東大
第10回企画展「見えざるウイルスの世界」
http://mhm.m.u-tokyo.ac.jp/exhibition010.html

日本血液学会学術集会
http://www.congre.co.jp/jsh2016/

埼玉医科大学市民公開講座(毎月第2土曜日)
10月:感染症
http://www.saitama-med.ac.jp/lecture/index.html

日本癌治療学会学術集会
http://congress.jsco.or.jp/jsco2016/

難治疾患研究所 市民公開講座
http://www.tmd.ac.jp/mri/koushimi/shimin/index.html

オンコロの月例セミナー(毎月第4金曜日)
10月:がんの統計をどう読むか?
https://oncolo.jp/featured/omce

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2016年10月 5日 (水)

目標設定

今年も残り3か月になり、やり残していることをツラツラ考えると、やり残しどころか何も着手していないような(^^; 早寝早起きとかダイエットとか、もう言ってもムダな宣言(もはや年頭の口癖状態)はこの際置いといて、残り3か月は部屋の片づけと、「勉強してる“フリ”を直す」ことを目標にしてみた。私はどうやら「勉強してる」ようにみられることが多いのですが、実際ホントに全然まったく(なんの自慢にもなりませんが…orz)勉強していません。アレコレ情報を集めるのが好きなので、こんな本、こんなセミナー、こんな資料、こんなウェブサイト、、、などとチェックして情報をかき集めて満足してしまうので、買った本や入手した資料は積み上げたまま飾りになっているし、読了したものなんて数えるほど。。。でも勉強会仲間は、皆さん、ちゃんと勉強されている方々ばかりなので、どんどん追いつかなくなってきた。「それ聞いたことあるー」とは言えても、その中身を理解していないので説明できなかったり。理解していないから訳を間違えたり。自分ひとりだと、まぁそんなもんか、と今までは流していたけれど、他の勉強会メンバーがみんな正確に調べて理解して正しく訳しているのに私だけ訳し間違えたりすることが続くと、むむむ、コレはやばい、と思うわけです。そんなわけで、積ん読の解消、、、は日が暮れるので(何十冊あるか判らない)、とりあえず積ん読の1%解消を目標にしますっ。低レベルな目標だけど(^^;;

今日は英会話レッスンでこの記事を読んだ。比較的易しい内容だったのでそんなに引っかからずに読めました。血栓治療の話。先生がビデオを紹介してくれたのだけれど、それが素晴らしいビデオで判りやすくて感激モノでした。
Why the Go-To Stroke Drug Can Fail
http://www.scientificamerican.com/article/why-the-go-to-stroke-drug-can-fail/

次回のレッスンで読みたいと思ってるのはこちら。ちょっと長い。
http://www.scientificamerican.com/article/a-very-personal-problem/

せっかくノーベル賞のニュースがあったから何か関連記事を…と思ってガーディアンのこの記事をやろうかと思ったんだけど、サラっと読み終わって別に引っかかるところもなくレッスンに使うほどではないと感じたので、これは自分で読んだだけ。
Yoshinori Ohsumi wins Nobel prize in medicine for work on autophagy
https://www.theguardian.com/science/2016/oct/03/yoshinori-ohsumi-wins-nobel-prize-in-medicine

ノーベル医学・生理学賞って、日本語ではこういう言い方だけど、英語の記事によっては「Nobel prize in medicine」だったり、「Nobel prize in physiology」だったり、「Nobel prize in medicine or physiology」だったりでバラバラ。どれが正式なんだろう?←それほど調べる気もないので裏を取ってないだけなんですが。

オートファジーについてちょっと教科書でも読もうかと手持ちの「エッセンシャル細胞生物学」、「細胞の分子生物学」、「LIFE」の3冊を検索してみたけど、いずれもチラっと数行だけ触れられているのみであまり詳しい記載はなかった。テキストを読むというよりイラストや動画での説明がないかな~と思って検索したんですけどね。細胞の動きは動画(アニメーション)で見ると素人の私でも理解しやすいし、最近の教科書のアニメーションは本当に判りやすくて素晴らしい。特に「LIFE」のアニメーションは秀逸。こんな素晴らしい教材があちこち転がってるのに(誰でも無料で使えます。インターネット万歳)、勉強するフリしかしてない自分を反省。。。残り3か月、ちゃんと勉強します!…多分。。。

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2014年1月22日 (水)

スタート

準備に1ヵ月くらいかけて、期待と不安が混じりつつ、この1月から新しい勉強会がスタートした。いろいろな意味で新鮮で刺激的なのが嬉しい。

私は自慢じゃないが子供のころからひとりで計画的にコツコツ勉強することができないタイプ。自分だけだとすぐサボってしまうし、ギリギリまで後回しにしてしまい、夏休みの宿題はいつも8月31日に大騒ぎしていた。そういう部分は大人になってからもなかなか治せない。でも勉強はしたい。それならヒトサマのお力を借りて、一緒に勉強させてもらうほうが良いと思うようになった。

ひとりでコツコツ勉強できる人は立派だと思う。でも、「ひとりで勉強できる人」と、「ひとりでしか」勉強できない人は意味が違う。今までいろんな自主勉強会に顔を出したことがあるし、いろんなタイプの人がいるし、人それぞれではあるけれど、「ひとりでしか」勉強できないタイプの人にも出会ってきて、こういう人は勉強会には向かないなぁと密かに思っていた(実際、しばらくしてその人は勉強会をやめていった)。簡単に言えばギブ&テイクができない(したくない)人なんだと思う。自分が学んだことを他人とシェアしたくない、教えたくない、自分も他人から教わりたいとも思っていない、つまり1+1が結果として1以下にしかならないような人なのだと思う。ほかの人と一緒に勉強しても結果が1以下だったら、そりゃあ自分ひとりで勉強したほうがいいだろう。逆に、自分が学んだことはほかの人ともどんどんシェアしたいし、相手が学んだことも自分に教えてほしい、1+1は相加効果どころか相乗効果で3にも4にもなるというタイプなら勉強会向きだと思える。私はそれほどたいそうなものではないけれど、ヒトサマの力を借りつつ、自分の知っていることをシェアして、相手の知識もシェアさせてもらって、一緒に向上できたらいいな、と自然に感じるので勉強会向きなんだろう。もちろん私みたいに極端なタイプはよろしくないし、ひとりで居る時にコツコツ勉強できて、さらに誰かと一緒に勉強したときに相加効果(や相乗効果)がでるのがベストなんだろうけど、人間なかなかそううまくはいかない(笑)。

基本的にヒト嫌いでヒト見知りの一人上手なんだが(あまり信じてもらえないことも多いけど^^;)、勉強やセミナーということになると、勉強は恥をかいてナンボなんだからどんどんヒトサマのお力を借りるぞー!という気持ちになるのが自分でも不思議。同業の友人たちに声を掛け、賛同してくれた人たちと一緒に教材をそろえたり、やり方を検討しあったり、せっせと準備に時間をかけて、いよいよスタートした勉強会。初回参加者は約10人、どんなふうになるのかドキドキしたけれど、思った以上に収穫もあり、まずは順調なスタートを切ったと言えると思っている。私はもちろん楽しかったし、他の参加者も楽しかったと言ってくれた。一緒につきあってくれる友人たちに本当に感謝。あまり気負わず、肩の力を抜いてながーく続けていきたい。学びたいことはたくさんあるから。

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2013年7月 8日 (月)

ハリソン

そんなに気合を入れることもなく、なんとなくブログ再開。長いこと放ったらかしている間に、いつの間にか私も経験10年選手になっており、後輩から「勉強方法を教えてください」などと言われるようになった。こんなグータラな私にそんなこと訊いてどうするの?というのが正直なところ。あなたのほうがよっぽどちゃんと勉強してるじゃない、と心の中で思うのだけれど、グータラでも経験年数はモノを言うのか、経験の浅い人から見ればそれなりに映っているらしい。そんなふうにエージェントさんのこともごまかせればいいんだけどね、と自分でツッコミ入れてしまいますが。不勤勉さと実力は比例するので、つまり私の実力もその程度。

そんな私が最近ちょっと楽しんでいるのが王道ハリソン。原書と和訳版を対比しながら読んでいる。とにかく読んで楽しい! こんな楽しいんだったらもっと早く読んでおけばよかったなぁと思いつつ、今だから楽しめるようになったのかもしれないとも思う。もちろん、ちゃんと読もうと思えば時間は掛かる。実際、楽しいとは言ってもスピードは遅々として進まないので完読するまでに200年くらい掛かりそうなんですが(爆)、まぁ200年楽しめると思えば悪くない(?)。毎回発見の連続、毎回知らない表現の連続、毎回初めて見る読めない漢字の連続で(!)、英語の辞書も日本語の辞書も必須状態ではあるが、読んだ分だけすぐに仕事に役立つ。逆に言えば、今までそういう知識もなく仕事やってて平気だったのかと思うと少々恐ろしくもありますが。

私が初めて医学翻訳の学校に通ったとき、講師が現役医師だったこともあって、「無理に医学的表現にこだわらなくていい。素人目線の自分の感覚を信じるように。あなたが疑問に思うことは、他の読者(特に患者)も疑問に思うのだから。あなたが理解できる文章を書けばいい」と言われたっけ。そのときに、「医者になるわけではないのだから、実際に診察ができたり、手術ができるようになる必要はまったくない(=つまり医学翻訳をするために医学部に行く必要はない)。ただ、そこで何が行われているか、そこで何を扱っているのかを知っているかどうかで大きな差が出てくる」とも言われた。そんなこと言ったって、「そこで何が行われているのか」は医学部に行かなきゃ判らないじゃん、と思っていたけれど、医学部に行かなくても教科書だけなら誰でも手に入れることができる。その翻訳学校の授業のテキストはいきなりCMDTの原書だった。初めて見るホンモノの医学の教科書。ずっしり重くて(電話帳の1.5倍くらいあった)、こんなブ厚いテキストをこれから訳すのか…とちょっとドキドキしたものだった。その当時はCMDTの対訳日本語版が出ていたので、張り切って大きな本屋さんでCMDTの日本語版を購入し、両方並べて悦に入って、仕事の調べ物も、両方を逆引き辞書のように行ったり来たりしながら参照したものだった。

残念ながら今はCMDTの和訳版はなくなってしまったようだ。CMDTは毎年改訂されているので(だからこそ、Current Meidcal Diagnosis and Treatmentという名前なわけだし。毎年出さなかったらCurrentではなくなってしまう)、それを追いかけて毎年和訳版を出すのはおそらく採算が取れなかったのかもしれない。日本ではそんなにCMDTが売れているワケではないでしょうし。その点、ハリソンは、CMDTのように毎年出ているわけではないけれど随時改訂版が出ているし、それを追いかけて必ず和訳版が出る。もちろんCMDTやハリソン(セシルでも良い)は内科テキストの一例で、日本のメジャーな医学テキスト(朝倉や中山書店)で勉強したってもちろん良い。でもせっかく原書と和訳がペアで存在しているものがあるなら、コレを有効活用しないテはない。どうせやるなら日本語だけの教科書では少しもったいない気がする。原書と和訳を対比することで初めて気が付くこともある。端的に言うと、実は結構、原書と和訳版で間違っているところがあるんですよ!(笑) これを探すのが、も~楽しくて(爆)。英語が間違っていることもあれば(つまり和訳版を出すときに和訳のほうで修正されている)、逆に英語は正しいのに和訳版でヘンテコ訳になっていたり。こういうのって、実際に大学の授業では教授が適宜修正したり説明を加えて正しく教えるのだろうと思うけれど、私みたいな素人は、どちらかだけしか読んでいなかったら、自分では(知識がないために)その間違いに気が付くこともできず、そのまま鵜呑みしてしまうだろうと思う。両方対比して、あれっ?書いてあることが違うぞ?と思うから初めて、調べてみたり、勉強会で質問させてもらって、どちらが正しくどちらが間違っているのか気が付くことができる。その意味でも、両方を見比べながら読むというのは私にとって、とても面白い教材になっている。

ハリソンが終わったらサビストンやりたいなー、いや、リッピンコットが先かなー、などと読みたいものがどんどん膨らみ、向こう500年くらいの読書予定が詰まっております…(^^;; 多分こんなことは、翻訳学校に通っていたころには考えなかったと思う。当時はプロトコールやIB、添付文書をそれっぽく訳すことで手一杯だった。でも、当時教えてもらったスタンダードテキストの名前だけはずっと頭に残っていて、内科ならハリソン、外科はサビストン、薬理はグッドマンギルマン(リッピンコット)、解剖学はネッター、、、といった具合に、「いつか読みたい本リスト」をずっと温め続けてきた。同業の友人たち(ほかの翻訳学校に通っていた人たち)の話を聞いても、こういったテキストの名前を知っている人はほとんど居ない。確かに、ヒヨコ(というかタマゴ)のときにいきなり王道のブ厚いテキストをこれでもかと紹介されたのは結構スゴかったよなぁ、と思う。でも私には未知の世界のテキストがとても楽しそうに見えた(で、実際に読んで楽しいですっ!)。

治験系の翻訳を10年やっていると、どうしても一言一句、用語集を調べたりMedDRAの表記に振り回されたり、改訂版前のプロトコールはこうなっているから改訂後もそれに合わせて、、、と余計なことに神経を使う。でもハリソンを読んでいると、MedDRAなんてクソ喰らえ状態(?)で、まぁ表記の自由奔放なこと。教科書だもんね、判りやすいことが第一。MedDRAなんて関係ないんだもんなぁ。ああ、当時先生に言われたとおり、「素人目線の感覚を大事にしなさい」ってこういうことだ、私もなんだかんだで10年やってて、すっかり業界感覚が染み付いてしまっている。ヘンなクセのある業界用語や中途半端な専門知識が当たり前になって、「普通の日本語」のセンスを見失いつつある。ハリソンを読んでいると、そういうことにも気づかされて、それがまた自分の再発見になって楽しいのです。

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2008年3月17日 (月)

読み上げ

仕事の取り組み方は人それぞれで、誰でも自分の好みのスタイルというものがあると思う。翻訳作業にしても、紙の辞書をめくりながら鉛筆とノートで翻訳を進めるのが好きという人もいるだろう。私の場合は機械化できるところは極力機械化している。基本的にぐーたらなので機械に頼れる部分はどんどん頼りたいのである。もはや紙と鉛筆の時代には戻れない…。

ある日の午前0時を回った頃、いつものように(?)シュラバ直前作業に没頭しつつ、残りの分量をザっと確認したら1~2時間ほどで終わりそうな感じだった。やったー今日は早めに寝られる!(←午前2時や3時に寝られれば御の字)と思いながら、ラストスパート体制に入ったとき。原文がヘンテコなことに気が付いた。私は原稿をもらうとまずはすべてテキスト化して、それを対訳ソフトを使用しながら1文ずつ訳していくスタイルで作業している。その対訳ツール上に表示されている原文がおかしいのだ。文章の途中に関係のない文章が入り込んでいるような。なんだコリャ? 私は対訳作業に入ったらオリジナルの原稿はまったく見ない。もちろんテキスト化した原稿とオリジナルの原稿が同じであることが大前提だ。テキスト化したときに、真っ先に照らし合わせて確認はしているのだが…。

確認もれ…かな? この一行だけならテキスト化の際に単に私の指がすべったのかとも思えるが。イヤな予感がして次の一文も見てみる。…おかしい! やはり文の途中に関係ないフレーズが入り込んでいる。次の行も、またその次の行も! なんてことだ。結局、そのパラグラフはまるまるおかしくなっていた。あと少しで終わるかと思ったのに! こうなると、もしかしたらここまで訳して来た部分も、気が付かずにヘンな文章になっていたところがあったかも…(ヘンな原文を力ずくで無理やり訳してしまったとか…)。時間は惜しいけれど、どうしても対訳作業中のテキストを全文もう一度確認しなければならない。対訳ファイルから原文をすべて抽出し、それをすぐに英文自動読み上げソフトにかけた。手元には作業の確認用に印刷しておいたオリジナルの原稿ファイルのハードコピー。読み上げボタンを押して、パソコンから流れてくる音声を聴きながら、目は紙原稿を追っていく。

最初のパラグラフが終わった時点で、読み上げ速度を上げる。こんなにゆっくり読まれたんじゃ先が思いやられる(笑)。ノーマルスピードよりも少し早くしてガンガン読んでもらう。こちらも原稿を必死に目で追いながら、心の中で、読み上げソフトは滅多に使わないけれどこういうときには本当にありがたいなぁ、と思う。何しろ疲れ知らずだ。どこで切れるのか判らないような長い文章や、発音のよく判らない医学用語もお構いナシにガンガン読み進めてくれる。

きっかり1時間後、すべての読み上げ(+確認)が終了。結局、私が遭遇したヘンテコ文章のパラグラフと、その次のパラグラフがおかしかっただけで、あとはまったく問題が無かった(=あったらオオゴトだ!)。その部分はオリジナルの原稿が段組みのレイアウトになっていたため、どうやら隣の段の文章とミックスされてしまったようだ(←まぁ要するに私のテキスト化処理のときのミスである)。それにしても読み上げ確認が終わった時点で、思わずパソコンに向かって声を出して「ありがとう!」と言ってしまった。1時間ぶっ通しで休み無く音声で読み上げるなんて生身の人間には難しい。翻訳作業の自動化や機械化については人それぞれ考えも違って、極力マニュアルでやりたいと思う人もいる。本当に好き好きだし、どれが良い悪いというものでもないと私は思っている。でもここぞというときの機械の威力は、やはりありがたいものだなぁと思うのだ。元々ミスしないように、かつ、時間に余裕をもって作業していればそんな必要はないとも言えるが(笑)。しかし、久しぶりに丸1時間も英語を聴き続けた…別の意味で疲れた(笑)。

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2008年3月10日 (月)

医療用語

先日のニュースで、国立国語研究所が医療用語を一般にも判りやすく言い換える取り組みを始めたという話を知った。
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20080306-OYT1T00402.htm

国語研には実にお世話になっております(笑)。まだ英検がリニューアルする前までは、英文和訳(大意要約)という問題があったのだが、そこで国語研が提案していた「カタカナ語をなるべく判りやすい日本語で」というのが非常に参考になった。さすがにインフォームドコンセントを「納得診療」とやってくれたときには、「えっ…!」と思ったけれど(=そして結局は定着していない。むしろ余計に判りづらい…。現場ではごく普通に「同意取得」とか「同意文書」などとしている)。なんでもかんでも横文字にして、意味のぼやけた和製英語にするのは好きではない。そういう自分も、ときどきパっとふさわしい日本語が出てこなくて、おもわずカタカナで造語することも多いのだが…(でも「シュラバる」(←カタカナ語?)は日本語だ、うん)。

以前に通っていた医学翻訳学校の先生は現役の外科医師だったが(もちろん今も現役でいらっしゃる)、「自分は(学生のときから)どっぷり医学の世界に浸かっているので医学用語は自然に馴染んでいるが、一般の人に馴染みの無い言葉も非常に多い。それを意味が解からないまま使うと、何のことか判らない文章になってしまう。この日本語(医学用語)の意味が解からない、と思う皆さんの感覚を忘れないでください。判りやすい日本語の訳文を作るときに、その感覚を維持することは非常に大切です」とおっしゃっていた。おかげさまで私はいまだに医学用語がよく解からない(笑)。解からないから、調べようと思うし、読みやすい文章を目指したいと思うのだ。

今回のニュースに出てくる程度の用語は、さすがに何年もこの業界にいるので私でも馴染んでいるので、あまり疑問に持たないのだが…(というか、このあたりの用語も判らないとなったら、どうやっても仕事にならない…)。むむ、一般人の感覚を忘れつつあるということか。かといって専門家の感覚なんかカケラもないので、実に中途半端。

とにかく国語研がどのような言い換え案を出してくるのか、ちょっと楽しみだ。私はあまり患者さん向けのものを訳すという仕事は無いのだけれど、こういった用語の変更はとても興味深いしどんなふうになるのか注目したい。

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2008年2月27日 (水)

読取不可

おうち仕事を1ヵ月ほどホサれてノンビリしている間、いざ仕事が来たときのためにアレコレと準備していたかというと、なーんにもせずにぐーたらする日々。日頃、もっと時間があればデータの整理や用語集のまとめや学校の復習ができるのに…と思っているくせに、時間があっても何にもやらないのであった。

諸先輩方からよく聞く話だけれど、仕事が来るときにはドカっと仕事が来て、ないときにはパタっと仕事が来なくなる、もっと平均的に仕事が来てくれればありがたいのだけれど、という現象は多かれ少なかれフリーランスで仕事をする人にはみんな共通なのかも。私はと言えば、「パタっと途絶える」ことはあっても、「ドカっと来る」という経験は無かった。まだまだフリーランス未満なのだ。

そうこうしているうちに論文のご依頼をいただき、さ~久しぶりのおうち仕事、と思っていたら、あらあらあら、という間に、A社とB社とC社から私にも対応できそうな分野の依頼が…。初めての「ドカっと依頼」状態である。うわーい、と浮かれている場合ではない。取り敢えず最初にいただいた論文のほうは納期に余裕があるので少しずつ進めるとして、その間に割り込みでお引き受けしてしまった案件を段取り良く片付けないと大変なことになる。中でも、40ページに及ぶ用語集を参考用にくださった案件は、最初は「用語集付きだ、ありがたい♪」と思ったのだけれど、コレが曲者。PDFの用語集だったのだが…なんと読み取り抽出不可のファイルだったのだ! こ、こんなにページ数がある用語集なのに、抽出不可の用語集って…(涙)。こうなると逆に、ありがたいどころか心理的にはお荷物みたいなもの(=いや、もちろん仕事する上ではありがたいのだけれど…)。紙で用語集をもらうよりはマシではあるけれど、指定用語がこんなにたくさんあるのに抽出不可なんて…(泣泣泣)。

原稿が読取不可のPDF画像ファイルということは多いけれど、用語集が読み取りできないファイルというのは初めてだった。自分が(会社仕事で)依頼側として資料を出す場合には、なるべくこういうイジワル(?)な出し方はしないようにしてあげたいと思ってしまった。

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