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2018年3月11日 (日)

ちくわ論

先日の授業で、内分泌系・外分泌系について生徒さんから質問されたとき、その説明の一環として、「人間のからだはちくわみたいなもの」という説明をした。消化器系が口から肛門まで1本の空洞になっていると考えると、ちょうどちくわみたいなもので、ちくわ=人間のからだ、ちくわの穴=消化器系、という話をしたのだ。この話をするずっと前から、生徒さんに説明するときには何に喩えるのが一番分かりやすいだろうかとアレコレ考え続けていた。マカロニじゃ穴が大きすぎるし、スパゲティには穴がないし、ドーナツだと長さがないし、ドーナツを何個も積み重ねるならいいかもしれないけど…じゃあダルマ落としならちょうどいいかも?(笑)…などとアレコレ考えて、ちくわにたどり着いた。コレは自分でもうまい喩えだ☆と気に入り、きっと生徒さんにも判りやすいだろう、なかなかいいのを考えついた♪と思っていた。

そしたら、やはり、そういうのはとっくに考えてる方はいらっしゃるわけです(^^;; 私みたいな素人でさえ考えるのだから、専門家(医師)が考えないわけがない。あとでググってみたら、ちくわ理論を提唱されてる方がいました(*^^*)

人体は「ちくわ」 消化管の中は体の外
https://mainichi.jp/premier/health/articles/20160210/med/00m/010/001000c

医師や医療従事者にとってはあまりにも当たり前すぎて、わざわざ患者さんや一般の人に説明する必要もない、ということがこの業界にはものすごく多い。それだけ、医療従事者とそれ以外の人にはとても大きな隔たりがあるということ。ちくわ理論は私が自分でウンウン悩みながら考えついたことではあるのだけれど、そもそもの消化管について(口から肛門までが1本の空洞で、そこは医学的には体外である、という概念)は、私も翻訳勉強会で先生から教えていただくまで知らなかった。医学素人(=私)にとって、そんなことは思いもよらなかったし、教えてもらわなければずっと知らないままだ。解剖学書にも内科の教科書にも書いてないんだもの(実は、これを知ってから探しまくったら、書いてある本もあった…でもすべての本に書いてあるわけではないので、やはり知らなければたどり着かない可能性のほうが高い)。

これと同じような、医療従事者にとってはわざわざ言及する必要もないくらい常識のことなのに、世間一般では知らなくて当然、むしろ言われたら意外すぎてちょっとビックリ、というようなことが、本当にたくさんたくさんある。私自身も今後も勉強し続けていきたいし、自分が知っていることに関してはできるだけ授業で生徒さんたちに伝えていきたいと考えている。まぁ仕事に直結するわけではないし、それを知ったからといって翻訳がうまくなるわけでもないので、トリビアではあるし、知ってどうなるわけでもないんだけど。それなのに(私の場合だけかもしれないけど)、小難しい臨床知識よりも、こういう雑学的なことを知ってるほうが、なぜかちょっと自分で嬉しくなったりする。道楽気分が満たされるとでもいうのかな(笑)。そういう楽しさを生徒さんたちにもたくさん味わってもらいたいなぁ。

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