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2018年3月 6日 (火)

活字の罠

英検の現役チャレンジャーだったころは、読んで判らないときは自分の読解力が低いからだと思い込んでいた。もっと読解力がある人ならきっとスラスラ理解できるんだろう、ネイティブだったら何の苦も無く読めるのだろう、私は読解力がないから読めないんだ…と自己嫌悪になったり自信を喪失したり…はあんまりしなかったけれど(基本的にノーテンキな楽天家なので、まぁそのうち読解力がつけばいつか読めるようになるわ~、と思っていた^^;;)。でも読解力がついてくると、「ナニこれ原文が間違ってるじゃん」とか、「あらヤだ、こんなところでタイプミスしてるよ」とか、「ウソ~、これ意味が通じないよ、絶対notが抜けてるよ~」とか、私が悪いんじゃなく原文が悪いことが多々あることに気が付くようになった。活字媒体はついつい信じ込んでしまうけれど、所詮は人間が作ったものなのだから、印刷物であっても間違いはある。ましてインターネット時代で簡単に誰でも発信できる今では、単純なタイプミスや誤変換(日本語の場合)、誤字脱字、スペルミスなど山のようにある。それが世界で一番有名な雑誌であっても、世界で一番権威ある医学書であっても。

自分の読解力にまったく自信がなかったころと、取り敢えず英検は卒業してそこそこ英文を読めるようになってからとでは、この「活字媒体の間違い」に対する反応に雲泥の差がある。以前は活字のほうが間違えているなんて思いもしなかったので、必死に辞書をひいては、こんな単語どこにも載ってない、でも私が知らないだけで世の中の常識なのかもしれない、意味が通じないよー、どうしようー、などと思ってしまったが、今では逆に、サラっと読んで意味が判らないときは、基本的には私のせいではなく原文のせいだと考えるようになった(爆笑。文章のほうがちゃんと正しくて、単に自分の知識不足で読めていないだけだということももちろんあるのだけれど)。でも自動的にそう思いたくなるくらい、意外なほどに活字媒体のミスは多い。読めない読めないとグルグルさまよっていた当時の自分に、「読めなくて当然だよ、だってこの原文、間違ってるよ」と教えてあげたくなる。

仕事でも、数行にわたる文章のどこにもピリオドがなくて、1パラグラフで1文章だったり、やはり数行にわたる文章のどこにもメインの動詞がなかったり(節ばっかりで、どの部分が本当の主語と動詞なのか判らない!)、そういう英文にときどき遭遇する。当然ながら原文は非英語圏のもの。今後はきっとこういう文書が増えていくのだろうと思う。そして昨今いろいろ騒がれている機械翻訳は、こういう文章には絶対に対応できない。機械翻訳は文法や構文が規則正しければ正しいほど自然な訳文表現が生成できるけれど、文法がおかしい文章はお手上げなのだから。時制がおかしかったり、動詞がなかったり、あるいは動詞が複数あったりするような文章、パっとみて(人間ならすぐに)判るようなスペルミスや誤変換など、そこに書いてある原文のほうに明らかに問題があるにも関わらず、活字になっているのだからコレで正しいのだろうと何の疑いも持たず、読めないのは読解力がないからだと嘆いていた当時の私と、原文に疑いを持つことができない機械翻訳は、訳文対応力は同じようなレベルかもしれない(当然スピードは圧倒的に機械の勝ちですが)。今の私は少しはファジー機能がついた感じかな(笑)。

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