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2016年10月 8日 (土)

付け焼刃

産業翻訳に従事している人は、分野を問わず大きく2パターンあって、語学系出身者と技術系出身者に分かれる(両方を兼ね備えている人ももちろんいるけれど)。平たくいうと、語学系は、まず語学ありきで翻訳業に参入してきた人たち、技術系は専門知識や経験が先にあって、そうした知識を活かすために産業翻訳に入ってきた人たちと言える。私は典型的な前者で、英語が好き、英語以外にロクな取り柄がない、ほかにやりたいこともない…というタイプ。技術系は、たとえばIT分野の翻訳ならプログラマーだったり、IT企業勤めの経験が長いなど、金融系なら金融機関の勤務経験が長かったりファイナンシャルアドバイザー資格があるなど、法務翻訳なら企業の法務部経験や法律事務所でのパラリーガル経験があるなど。語学先行系の人は後から専門知識を学び、技術先行系の人は後から語学を猛勉強する。こういった、語学系と技術系の違いはどの分野も似たようなものだけれど、医学系に関しては「医療資格」-医師、看護師、薬剤師-という、他の分野にはない国家資格がそびえたつ。むろん他の分野でも、弁護士資格を持った法務翻訳者、税理士資格を持った金融翻訳者もいるかもしれませんが…ともあれ、この医療資格には太刀打ちできないわけです。まぁ別に医者や看護師になりたいわけじゃないんだから比べたって仕方ないんだけど。

でも、そういった専門知識バリバリな方々と、私のように語学先行系で専門知識が後付けの人間とが、意外と同じ土俵に立っている(…と言っていいのかどうか心もとないが)…かもしれない…のが、医療統計である。比較的文系出身者と思われる語学先行組も、理系出身者が多いと思われる技術先行組も、医療統計が好きとか得意という声を聴いたことがない。みんなそろって、「うわー統計!ニガテ!判らない!」という。もちろん私も判りません。翻訳学校の医療統計セミナーに何度か行ったことがあるが、付け焼刃ではやっぱり難しい。でもこの分野の翻訳で統計は避けて通れない。医学部出身で数学が大好きという知人に、「統計、お好きですか?」と聞いたら、「大っ嫌い!全然わからない」と言ってたのでちょっとホッとしたことがある。数学が好きな人でも統計は嫌いなんだなぁ、と。でも、どうにかしないと、という焦りはいつも感じている。

勉強会仲間が昨日出席した学会の書籍コーナーに、判りやすそうな統計の本があったと教えてくれた。その場ではゆっくり見られなかったそうだが購入を検討中とのこと。そういう場で売っているということは、つまり(学会は基本的に医者向けなので)、医者も判りやすい統計の本を探しているということだ。ちまたには、サルでもわかるかのように初心者向けや判りやすさを謳った統計の本が山ほどあるけれど、実際、「コレは本当に判りやすい!」と思った本には私は残念ながらまだ出会えていない。。。ただ、教えてもらった本をネットで探してみたら翻訳本だった。そして私は原書(英語版)を実は持っていた! 確かに原書は数ある統計の本の中でも判りやすくて結構お気に入りの本だった。この本に和訳があったことを知らなかった。。。これはちょっと見てみたいかも。

仲間が教えてくれた書籍はコレ。

たったこれだけ!医療統計学
https://www.amazon.co.jp/dp/4765316300/
Tattakoredake

私が持っている原書はコチラ(第2版)
Medical Statistics Made Easy
https://www.amazon.co.jp/dp/1904842550/
Medicalstatisticseasy

実は私が頼りにしている統計の勉強方法は書籍ではなくビデオ。たまたま見つけたこちらのレクチャー、医療統計ではなく普通の(数学としての)統計学なのだけれど、ものすごく判りやすくてファンになってしまった。

Mastering Statistics - Volume 1 by Jason Gibson
https://www.amazon.co.jp/dp/B01GUP9PLI/
Mathtutor
作者のホームページはこちら。
http://www.mathtutordvd.com/

こちらからサンプルレッスンを試聴できます。レッスンによって時間はバラバラだけど平均して1レッスンあたり15~20分くらいという短さなのも視聴しやすくていい。
http://www.mathtutordvd.com/products/Mastering-Statistics-Vol-1-6-Hour-Course.cfm

このJason先生、もともと数学の先生というわけではなく、工学部や物理学系出身でNASAで働いていたという変わり種(?)。ちょっと偏見で申し訳ないのだけれど、バリバリ理系タイプの方はあまり説明や話し方がうまくないのでは、と思っていたのだけれど、この先生、ほんっとに話がうまい!(そして超絶早口である…でもシンプルな言い回しだし身近な喩えが多いので聞き取りやすい)。結局、今のところ私にはこの先生のレクチャーが一番判りやすい。現在4巻まで視聴しながら勉強中。付け焼刃な知識がいずれちゃんと使い物になることを願いつつ…。

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