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2016年10月13日 (木)

授業雑感

半年間の授業が終わった。大変だったーーーーー…けど楽しかった。今期の授業では、がっつりワシントンマニュアルに取り組んだ。ハリソンと並ぶ2大教科書ともいえるワシントンマニュアルだけれど、ハリソンが学生向けに書かれているのに対してワシントンマニュアルは医者向け。こまごました説明はすっ飛ばされているし、「医師なんだからこんなこと言わなくても判るでしょ」と言わんばかりの書き方なので読む側には相応の予備知識が求められる。だから字義通り(原文の字面通り)に訳すとナンノコトヤラ?になる部分も多くて面白い。市販の訳書も同様で、医師向けにこなれた書き方になっており、誤訳満載のハリソンに比べると翻訳がとても上手な印象を受ける。日本の状況に合わせて翻訳のほうでは内容が異なっている部分などもある。まぁハリソンとは全体のボリュームが違うから仕方ないともいえるけれど(ハリソンではそんな個別対応をしている余裕はないんでしょうね)。

そんなわけでどちらも内科の教科書だし、原書と訳書を見比べてアレコレ考えるという意味では同じようなことをやっているのだけれど、ハリソンとワシントンマニュアルではアプローチがまったく違うし、ワシントンマニュアルのほうが和訳が上手いのでお手本にしたくなる訳し方も多い。それを念頭に入れたうえでの授業。調べ物が多くて大変だったけれど、熱心な生徒さんたちに恵まれて半年間を無事に完走。山のような各種積ん読の資料、解剖学書、薬理や生理学の教科書、心電図の読み方、統計の講義などなど、本やビデオをひっくり返しながら授業の参考資料を作成し、書籍や参考ウェブサイトを生徒さんに紹介したり、トレーニングビデオを見ながら疾患クイズを一緒にやったり、自分自身にとっても、非常に良い勉強になった。心電図踊りをやったりとか(笑)←生徒さん命名。アレのおかげで12誘導心電図はもう絶対に間違わない(≧▽≦)

伝えたい情報がアレコレありすぎて、そのくせ脱線して別の話題で盛り上がることも多く、だから授業時間がオーバーすることも多くて、生徒さんたちも夜遅くまで大変だっただろうと思う。授業の直前に資料の印刷や準備をお願いして事務局の方にも毎回バタバタさせてしまったし…(はい、私がギリギリだから悪いのです)…でも毎回の授業で少しでも多くのことを得てもらいたかったし、きっと得てもらえただろうと思う。

次の授業開講予定は来年の4月なので、私の授業担当はしばらくはお休み。その間に資料の練り直しができるといいな。来期も楽しい授業になりますように。

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2016年10月11日 (火)

また再会

「再会」=再び会うこと
「また再会」=さらに再び会うこと(と勝手に私が定義してみた)

デンマークで開催されていたESMO2016が終了した。
http://www.esmo.org/Conferences/ESMO-2016-Congress

10月は国内でも癌学会や癌治療学会など大きな学会がアレコレ開催されるが海外も同じ。改めて秋は大きな学会シーズンなのだなぁ。みんな夏休みに学会の準備をするからなのかしら? そういえば会社勤めのころはRSNA(北米放射線学会)が10月だった気がする。放射線関連の会社にいたころはRSNAは会社にとっても一大イベントだった。AMWA(米国メディカルライター協会)の年次総会も秋だったような…私は参加したことはないのだけれど、以前勤めていた会社の同僚(翻訳部門)が有給を取って自腹でAMWAに参加していた。この業界の人たちはみんな勉強熱心だ…(私を除く…orz)。

今年のESMOには知人が参加したので(今ごろ帰国便の機上かもしれない)SNSに挙がっている写真を眺めながらHPの記事にもササっと目を通したりしているのだが、早速あちこちから和訳した情報がアップされている。最新情報を少しでも早くいろんな方に届けたいというエネルギーに圧倒される。この業界、そういう熱意にあふれた方々が本当に多い。

そんななかで先週依頼を受けた仕事。久しぶりに会議議事録の和訳。外国人が参加した会議の録音をテープ起こしした原稿からの和訳というもので、参考資料として音声付。さいわい、テープ起こしはすでに済んでいるので音声はあくまで参考程度。会社勤め時代はイヤホン片手に自分でテープ起こしもやっていたのだけれど、もおおおおおおおおのすごく時間がかかるので、すでにテープ起こしが済んでいるのはありがたい限り。チラっと原稿を見ながら音声を聞いてみたら、聞き取りはカンペキで原稿の英文もネイティブが書いたものっぽかったので、おそらくエンドクライアント(製薬会社)の常駐ネイティブがテープ起こししたのではないかと思う(外国人出席者が、「そこは30~40%くらいで、、、」などと発言している部分を、「30% to 40%」と書いてあったので。コレ、日本人が英語で書くと「30-40%」と書く気がするので、「おっ、正しい書き方をしてるからネイティブが書いたのかな」、と思ったのです)。そして会議の内容がESMOだったのだ! What a coincidence!

こういうことは勉強していると本当にしょっちゅう遭遇する。勉強会仲間が、「勉強会でやった内容が、次の仕事で出てくることが結構よくあるのだけれど、そういうときはついうれしくて、“またお会いしましたね♪”と思ってしまう」と言っていたのだけれど、まさにそんな感じ。そしてこういう偶然がものすごく多い。多分、偶然なのではなくて、知っていて当然の知識を自分が知らなさすぎるだけで、おそらく何を勉強しても何を学んでも、すぐに次に遭遇するのだと思う。それくらい、当たり前の基礎的知識を自分が持っていないからこそ何を学んでも再会率が高いのだろう。小さな子供に日常的なアイテムの名前を教えて、翌日もすぐに同じものを目にするのと同じようなもの。自分が日々いかに何も知らずに仕事をしているのかと痛感するくらい、何か勉強するとその直後の仕事で、「またお会いしましたね!」の繰り返し。

でも本人はそれで結構楽しんでいるし、無知な自分に押し潰されるわけでもなく、1億万里の道も半歩からだ~と思いながらカメ歩みを面白がっている。いまさら自分の無学を嘆いても始まらないし、知らないことを学べるのはいつでも楽しいのだから。

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2016年10月10日 (月)

本郷界隈

いつもの勉強会メンバーで東大の医学博物館に行ってきた。
健康と医学の博物館
http://mhm.m.u-tokyo.ac.jp/

今回は10月30日まで開催している企画展の「見えざるウイルスの世界」展の展示見学と、東大学食ランチが目的(というかランチのほうが目的!?)。といいつつ、残念ながら学内は日曜・祝日は営業していないお店が多く、選択肢が限られてしまうのだけれど中央食堂をめがけて東大ランチを楽しんできました。企画展のほうは私は2回目なので復習のつもりで参加。

第10回 見えざるウイルスの世界
http://mhm.m.u-tokyo.ac.jp/exhibition010.html

ではさっそくランチ。学食なので当然学生用ですごいボリューム。これで600円。
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食堂を出たら、観光地化している東大内の生協でお土産売り場をチラっと覗き見。。東大クッキー、東大煎餅、東大キャンディ、東大饅頭、東大ラーメンなどなどが並んでおりますが、実は一番みんなが注目してしまったのは白衣売り場(笑)。この白衣、似合う?とか、この白衣はちょっと小さいかも、とか、デザインいろいろあるねー、とか(ちなみに東大ブランドではなく一般メーカー品です)。写真撮るのを忘れた。
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博物館前☆
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前回は展示されていなかったガラス製ウイルスがなぜか今回は展示されていた。学芸員さんの許可を得て写真を撮らせてもらった。
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展示を見た後、企画展の内容をまとめた図録をいただいた。これがとてもよくまとまっていて充実した資料なので、無料でいただけるのがありがたい限り。アンケートでは資料の有料化を匂わせているので(これが100円だったら購入しますか?などの質問があり、アンケートの種類によっては金額が異なる)、いずれ有料化を狙っているのかもしれない。ただ、東大の企画展は、会期が終わるとウェブ上からも資料をダウンロードできるので、これまでに開催した9回分の資料はすでにネット上で無料で入手できる。これがあれば現物の紙の資料が有料になっても別にいい…かも?(ネット上の資料も有料になるのは反対ですが)。

唯一残念なのは、会場内で流しているいろいろなビデオを再視聴するチャンスがないこと。これもサイト内で提供いただけるとありがたいのだけれど。ウイルスの動きなど、動画のほうがずっと理解しやすいものも多い。

このあとは学内のカフェでお茶でもしたいところだけれど、残念ながら学内のお店はほぼお休みなので赤門前で自由解散。本郷三丁目駅に向かう途中のカフェを通りがかったらピアノとフルートの生演奏が聞こえてきて、一瞬みんなで足を止めてしまった。休日の午後に生演奏を聴きながらカフェで一息、なんて素敵だなぁ。(画像はネット上からいただいたものです)。通りがかった時に演奏されていたのは「美女と野獣」でした。
ピアノと庭園のカフェラウンジBon Art
http://www.cafebonart.com/
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そのまま駅に向かい、みんなで本郷薬師にお参りし、「医学知識を少しでも理解できますように!」とみんなでそろって切実なお願いをして駅で解散。JR組は、そこからさらにお茶の水まで歩いてニコライ聖堂も行ってきたらしい。私は地下鉄でそのまま帰宅。楽しい1日でした。

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2016年10月 9日 (日)

時事雑誌

英検学校に通っていたころ、時事英語の読解材料として薦められていたいたのはTIMEだった。でも911のあと、先生が、「TIMEは世界を公平に見渡す視点があったのに、911以降、すっかりアメリカ至上主義的な視点の記事にシフトしてしまったので、今はTIMEをお勧めしない」とおっしゃった。もう15年も前の話になるのか…orz

そこでTIMEに代わって先生が薦めてくださったのがThe Economist誌。金融・経済系にちょっとアレルギーがある私は、その誌名だけでずっと避けて通っていたのだけれど、薦められて読んでみてビックリ! コレ、経済の記事ばっかりではなかったんだ(@@) そして切り口が面白い。ウィットに富んだ文章も面白い。イギリスらしい皮肉も利いていて面白い(≧▽≦) こんな面白い雑誌を食わず嫌いしていたなんてもったいないことをしたな、と思って、それ以来、時事英語雑誌として真っ先にチェックしたいのはEconomistになった。NewsweekはTimeやEconomistより記事が短く軽いものが多いので、もともとあまり英語の勉強としては使っていなかったし。Japan Timesや週刊STもよい記事は多いし勉強にはなるけれど、その辺はまぁ好みでしょうか。

その後、英検の勉強会で5年くらい、さらに有志の友人たちと一緒に3年くらい、毎週Economistを読んでいたけれど、翻訳の勉強会が忙しくなってきたので私はEconomistの勉強会を抜けた。ひとりでコツコツ勉強するのが苦手な私、きっと勉強会を抜けたら読まなくなるだろうなぁと思っていたけれどテキメン。ホームページでチラっとカバー記事や特集くらいは眺めるけれど辞書を引きながらじっくり精読することはなくなってしまった。読まなくなると当然どんどん急降下で英語の読解力は落ちる。そりゃ毎日仕事で英語は読み書きしているけれど、お役所用の書類(治験文書)は紋切型でどれもパターンが決まっているし、仕事の英文なんて結局はどれも似たり寄ったりなのだ。構文を考えたり、レトリックに唸ったり、オチの面白さにクスっと笑ったり、そういう、頭を使う英文を一切読まなくなれば読解力が落ちるのは避けられない。

さすがにこれはマズイ、と思い始めたころ、巷ではスカイプを使ったオンライン英会話がにわかにブームになってきて、私の周囲でもオンライン英会話レッスンを取っているという人が増え始めた。読み書き以上に、英語を「話す・聞く」なんて、もう10年以上やってないのですっかりサビついているし、少しリハビリするにはよいかも、と考えて私もオンライン英会話レッスンを始めてみた。始めのうちは仕事で困った表現や理解できない部分を先生に質問したりしていたけれど、最近はネット記事や時事ニュースを題材にしてレッスンを受けている。ただ、さじ加減が難しくて記事選びに結構悩むのだ。というのも、仕事に役に立ちそうなサイエンス系の記事を選ぶと、事実の羅列(科学的な事実を挙げ連ねてあるだけ)のことが多く、読み終わってもディスカッションにならない。ちょっと専門的な科学表現程度を辞書で押さえておけば、表現上も特に判りづらいところもない。つまり先生に質問したいこともないし、私が1人で読んで理解できることなので、レッスンで使う必要なかったなぁ、と思ったり。かといって論文を題材にすると、おそらく日本語で読んでも判らないような専門的な内容になってしまうだろうから、それもまたレッスンで使うにはふさわしくないだろうし、、、。

そう考えると改めて、Economistあたりの、ちょっと皮肉が利いたりオチがあったり、シェイクスピアや聖書がさりげなく引用されていたり、「外国人である私」にはちょっと手ごたえのある(=辞書を引いても難しい、歴史や背景を知らないとすぐには意味がつかめない)文章を選んだほうがレッスン素材にするには良さそうだということがだんだんわかってきた。そんなわけで久しぶりにEconomistやTimeの最新号が出るたびに、HPの最新号目次を眺めながら、レッスンに良さそうな手ごろな長さの記事をピックアップするのが最近の楽しみ。もちろんNature、Science、Scientific Americanなどの科学系雑誌もチェックはしてるけれど、扱う内容に難易度のばらつきが大きすぎて、これまた悩みどころ。とはいうものの、こうやってネット上であらゆる雑誌記事、ウェブニュースが自在に読める贅沢さをしみじみありがたく感じる。英検の現役受験生だったころ、毎週届く定期購読のTIMEやEconomistをうず高く積んでいた(爆)ことを思い出すと、なんて便利で語学学習者にとって素晴らしい時代になったんだろうと実感する。その便利さに比例して飛躍的に英語力が伸びているかと訊かれると、返事に困るんですが(^^;

最近オンライン英会話レッスンでやった記事。

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Feed a virus, starve a bacterium
これはハリソン勉強会で今ちょうど感染症をやっているので、ウイルスとバクテリアはタイムリーな内容なので選んだ。内容も面白く、エコノミストらしい切り口も読んでいて楽しかった。
http://www.economist.com/news/science-and-technology/21707186-old-wives-tale-gets-some-support-medical-science-feed-virus-starve

Uncovering a new principle in chemotherapy resistance in breast cancer
これはJAMT翻訳講座の課題にもなったので予習のために読んだのだけれど難しかった!(泣) DNA複製のところがそもそも仕組みをきちんと理解しておらず、先生に何度も何度も細胞分裂やDNA水素結合の分裂のところから説明してもらって、やっと理解できた。
https://www.nih.gov/news-events/news-releases/uncovering-new-principle-chemotherapy-resistance-breast-cancer

201610scientific
Why the Go-To Stroke Drug Can Fail
仕事でもがんや感染症関係のものが多いので、ちょっと別の分野を選びたくなって循環器。シンプルで読みやすかった。英検の勉強会ではScientific Americanを毎週のように読んでいたけれど、当時は週刊誌だったのに今は月刊誌になっていたことにビックリした。
https://www.scientificamerican.com/article/why-the-go-to-stroke-drug-can-fail/

201610sciencedaily
昨日はノーベル賞の記事をやろうと思ったんだけど、レッスン前に自分でひととおり読んでみたら簡単すぎてディスカッションするほどでもないのでレッスンで使わなかった記事。
Mechanisms for autophagy: 2016 Nobel Prize in Physiology or Medicine
https://www.sciencedaily.com/releases/2016/10/161003103237.htm

次回レッスンでやりたいと考えている記事。
201610seventickets
Seven tickets to Stockholm
エコノミストの記事はやはり手堅い。。。
http://www.economist.com/news/science-and-technology/21708196-years-awards-go-work-nanotechnology-cellular-refuse-recycling

201610naturehbp
Health: A novel surgical approach to treat high blood pressure
Natureの記事をレッスンでやるのはかなり冒険の気もするのだけれど、高血圧を外科手術で治すってナニ!?と興味津々なので、先生に質問しながらレッスンで読めたらいいなぁと検討中。
http://www.natureasia.com/en/research/highlight/11014

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2016年10月 8日 (土)

付け焼刃

産業翻訳に従事している人は、分野を問わず大きく2パターンあって、語学系出身者と技術系出身者に分かれる(両方を兼ね備えている人ももちろんいるけれど)。平たくいうと、語学系は、まず語学ありきで翻訳業に参入してきた人たち、技術系は専門知識や経験が先にあって、そうした知識を活かすために産業翻訳に入ってきた人たちと言える。私は典型的な前者で、英語が好き、英語以外にロクな取り柄がない、ほかにやりたいこともない…というタイプ。技術系は、たとえばIT分野の翻訳ならプログラマーだったり、IT企業勤めの経験が長いなど、金融系なら金融機関の勤務経験が長かったりファイナンシャルアドバイザー資格があるなど、法務翻訳なら企業の法務部経験や法律事務所でのパラリーガル経験があるなど。語学先行系の人は後から専門知識を学び、技術先行系の人は後から語学を猛勉強する。こういった、語学系と技術系の違いはどの分野も似たようなものだけれど、医学系に関しては「医療資格」-医師、看護師、薬剤師-という、他の分野にはない国家資格がそびえたつ。むろん他の分野でも、弁護士資格を持った法務翻訳者、税理士資格を持った金融翻訳者もいるかもしれませんが…ともあれ、この医療資格には太刀打ちできないわけです。まぁ別に医者や看護師になりたいわけじゃないんだから比べたって仕方ないんだけど。

でも、そういった専門知識バリバリな方々と、私のように語学先行系で専門知識が後付けの人間とが、意外と同じ土俵に立っている(…と言っていいのかどうか心もとないが)…かもしれない…のが、医療統計である。比較的文系出身者と思われる語学先行組も、理系出身者が多いと思われる技術先行組も、医療統計が好きとか得意という声を聴いたことがない。みんなそろって、「うわー統計!ニガテ!判らない!」という。もちろん私も判りません。翻訳学校の医療統計セミナーに何度か行ったことがあるが、付け焼刃ではやっぱり難しい。でもこの分野の翻訳で統計は避けて通れない。医学部出身で数学が大好きという知人に、「統計、お好きですか?」と聞いたら、「大っ嫌い!全然わからない」と言ってたのでちょっとホッとしたことがある。数学が好きな人でも統計は嫌いなんだなぁ、と。でも、どうにかしないと、という焦りはいつも感じている。

勉強会仲間が昨日出席した学会の書籍コーナーに、判りやすそうな統計の本があったと教えてくれた。その場ではゆっくり見られなかったそうだが購入を検討中とのこと。そういう場で売っているということは、つまり(学会は基本的に医者向けなので)、医者も判りやすい統計の本を探しているということだ。ちまたには、サルでもわかるかのように初心者向けや判りやすさを謳った統計の本が山ほどあるけれど、実際、「コレは本当に判りやすい!」と思った本には私は残念ながらまだ出会えていない。。。ただ、教えてもらった本をネットで探してみたら翻訳本だった。そして私は原書(英語版)を実は持っていた! 確かに原書は数ある統計の本の中でも判りやすくて結構お気に入りの本だった。この本に和訳があったことを知らなかった。。。これはちょっと見てみたいかも。

仲間が教えてくれた書籍はコレ。

たったこれだけ!医療統計学
https://www.amazon.co.jp/dp/4765316300/
Tattakoredake

私が持っている原書はコチラ(第2版)
Medical Statistics Made Easy
https://www.amazon.co.jp/dp/1904842550/
Medicalstatisticseasy

実は私が頼りにしている統計の勉強方法は書籍ではなくビデオ。たまたま見つけたこちらのレクチャー、医療統計ではなく普通の(数学としての)統計学なのだけれど、ものすごく判りやすくてファンになってしまった。

Mastering Statistics - Volume 1 by Jason Gibson
https://www.amazon.co.jp/dp/B01GUP9PLI/
Mathtutor
作者のホームページはこちら。
http://www.mathtutordvd.com/

こちらからサンプルレッスンを試聴できます。レッスンによって時間はバラバラだけど平均して1レッスンあたり15~20分くらいという短さなのも視聴しやすくていい。
http://www.mathtutordvd.com/products/Mastering-Statistics-Vol-1-6-Hour-Course.cfm

このJason先生、もともと数学の先生というわけではなく、工学部や物理学系出身でNASAで働いていたという変わり種(?)。ちょっと偏見で申し訳ないのだけれど、バリバリ理系タイプの方はあまり説明や話し方がうまくないのでは、と思っていたのだけれど、この先生、ほんっとに話がうまい!(そして超絶早口である…でもシンプルな言い回しだし身近な喩えが多いので聞き取りやすい)。結局、今のところ私にはこの先生のレクチャーが一番判りやすい。現在4巻まで視聴しながら勉強中。付け焼刃な知識がいずれちゃんと使い物になることを願いつつ…。

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2016年10月 7日 (金)

テキスト

ときどき話題に出している、私が初めて通った翻訳学校。講師が現役医師で、アメリカでも臨床経験がある方だったのでテキストは当然ながら海外モノだった。私は当時すでに製薬会社での勤務経験もあったし、業界内のこともある程度は知っていたけれどズブの素人には変わりはないわけで、会社の図書室にステッドマンが転がっているのは知っていたけれど(というか日常業務で使っていたけれど)、いわゆる業界の定番テキストについては何も知らなかった。だから、その学校に通い始めた初回の授業で、ハリソンやセシルの名前を初めて聞き(そしてその後に会社の図書室に行ったらハリソンが置いてあって感動したものです)、ナンノコトヤラ判らないまま、でもとにかく必死にメモだけはした。内科はハリソン、外科はサビストン、解剖学はネッター、薬理はグッドマン・ギルマン、などなどズラっと各科ごとの定番テキストを滝のように並べたてられて、「ナンノコトヤラ判らないけどいつか読む!」と心の中で思っていた。そうして今、仲間たちとハリソンを読む勉強会を続けていられるのが非常にありがたい。

そのときに、日本語のテキストで勉強してはダメだと言われた。別にそれを鵜呑みにするわけではないし、日本語にだって良い教科書はたくさんあることも今は判っている。でも翻訳に従事している以上、日本語だけ、英語だけで勉強してもインプットが足りない。やはり両方を並べて見比べることができるのは非常にメリットが大きい。両方並べることで初めて、「あれ、原文と訳文の言ってることが違う…(=どちらかの記載が間違っている。原文が違うこともあれば、単純に訳文の方が誤訳のこともある。誤った原文を正しく和訳してる部分は感動モノ)」とか、「あれれ、原文がバッサリ削除されてる(=日本の事情と異なるために和訳版では記載が削除されているなど)」など、見比べているからこそ気づくことが多々ある。

そんなわけでもともと海外版のテキストが好きな私だが、インターネット時代になって、ますます海外版テキストにほれ込んでいる。付属DVDなどで図やアニメーションなどがみられるのは当たり前だが、海外版のテキストは購入者用のウェブサイトにさまざまなサービスがある。日本のテキストにもそういうものがあるのかどうかは知らないのだけれど、最近の海外版のテキストは、購入者ではなくても、誰でも無料でみられるアイテムも満載なのだ。

たとえばこの本。和訳版は「大学生物学の教科書」で有名だけど、訳本のほうは確か第8版準拠で、原書のほうは第10版(そろそろ第11版がでそうな気がする)。

201610lifecover_2
Life: The Science of Biology
https://www.amazon.co.jp/dp/1464141223/

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先日のJAMT翻訳講座の内容がDNA複製フォークに関するものだったので(NATUREの論文を取り上げてしまったので非常に内容が難しかったのだ…)、複製フォークについていろいろ調べているときにこのテキストを開いたら、アニメーションがとても判りやすくて感動したのだけれど、それ以上に、「ネット上で公開されていて誰でも見られる」ということに衝撃を受けた。こんな素晴らしいサービス、日本の教科書でやってくれてるところはあるんだろうか?(もしあるなら、ご存知の方はぜひ教えてください)。LIFEのテキストの中には、いたるところにこのようなQRコードがあり、それを読み取るか、あるいは記載のURL(この場合は【Life10e.com/at13.4】)をそのままアドレスバーに貼りつけるだけで動画を視聴できる。今までときどきこの本を開いていたのに気付かなかった自分はなんてアホなんだろうと思った…orz

もうひとつ、こちらのテキストも参考資料が豊富。

201610virologycover_2
Principles of Virology 4th
https://www.amazon.co.jp/dp/1555819516/

テキスト内にバーコードやQRコードがあるわけではないが、そのものずばりでURLがたくさん記載されている。こちらも動画やインタビュー、画像など、情報がテンコモリで誰でも見ることができる。

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こういった資料を潤沢に学習者に用意してくれるというのは本当に素晴らしい。日本の教科書は値段もさることながら、学習者に対して少し閉鎖的に感じる。オンライン講座も、GAKKOを始めとして日本でも少しずつ専門的学習ができるサイトも増えてきたけれど、それでもまだまだ、海外のKhanやCourseraのように、びゅんびゅん勉強できる環境が整っているとは言えない。まぁ私もなかなかKhanやCourseraを使いこなせてはいないのだけれど。オンライン講座は締め切りに追われてしまうけれど、テキストなら自分のペースでゆっくり読んだり調べたりできるので、これからも海外版のテキストを愛用させていただくつもり☆
gacco講座
http://gacco.org/

Khan Academy
https://www.khanacademy.org/
https://ja.khanacademy.org/

Coursera
https://www.coursera.org/

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2016年10月 6日 (木)

シーズン

以前から市民講座とか医大の一般向け講座などにチョコチョコと出掛けることはあるけれど、本格的な学会は会社勤めしていたときに仕事で何度か行ったことがあるだけで、一般参加者として学会に行ったことはない。私が10年以上前に初めて通った医学翻訳学校の先生(現役医師)は、機会があればバンバン学会に参加しなさい、とおっしゃってくださったけれど、敷居が高い(内容も金額も…)というのがブレーキになって、今まであまり食指が動かなかった。んが。今月は学会シーズンで毎週末のように大きな学会があり、勉強会仲間がこぞって出席するらしい。置いて行かれる感が満載…。いや別に、人がどうしたからってそれに振り回される気は全然ないが、1人で行けば難しすぎて手におえない内容でも、仲間と行けば少しは理解の度合いが高まる…かも…しれない?

今月1日は国立感染症研究所で年1回の施設一般公開があり、それも勉強会仲間と一緒に行ってきた。私はパネル展示や体験型実験コーナーなども、ちょっと遠巻きにサラ~っと見て回っただけだったのだが、スタッフ(感染研の職員さん)に何度も質問する勉強会仲間たちの熱心さを目の当たりにした。うむー、すでに置いて行かれてる。。。今週末は日本癌学会、東京大学のウイルス展、来週末は埼玉医科大学の市民講座(感染症)、さらに日本血液学会、癌治療学会と続く。癌治療学会では今もっとも旬な話題の、ノーベル賞受賞者大隈先生のレクチャーもある。みんなこれは絶対に聴く!と今から盛り上がっている模様。うううう~ん、でも私は聴いても判らない自信があるので迷っている。それとも、一流の研究者の話は理解できなくても聴くべきなんだろうか。翻訳学校の先生が、「機会があればバンバン学会に~」と言っていたのも、内容が判っても判らなくてもそういう場に行って、そういう研究の最先端の空気に触れて、最先端の研究テーマの単語をひとつでも拾ってこれたらそれで価値がある、ということだったので、内容理解まで求める必要はないのだろうけれど(こちらは研究者ではなく、所詮シロートなのだし)。

食欲の秋、芸術の秋、スポーツの秋だけではなく、とにかく10月は学会シーズン! 年に1度の開催だし、毎年東京(関東)開催とも限らないのだし、せっかくだから行きたいと考えてはいるが…キャパオーバーになりそうで迷い中(^^;

ちなみに私が参加を検討中のものはこちらデス。
日本癌学会学術総会
http://www.congre.co.jp/jca2016/index.html

2016年10月9日(日)&10日(祝)
東京都眼科医会市民セミナー
http://www.tougan.org/tomin/Tokyo%20Eye%20Festival%202016.pdf

健康と医学の博物館@東大
第10回企画展「見えざるウイルスの世界」
http://mhm.m.u-tokyo.ac.jp/exhibition010.html

日本血液学会学術集会
http://www.congre.co.jp/jsh2016/

埼玉医科大学市民公開講座(毎月第2土曜日)
10月:感染症
http://www.saitama-med.ac.jp/lecture/index.html

日本癌治療学会学術集会
http://congress.jsco.or.jp/jsco2016/

難治疾患研究所 市民公開講座
http://www.tmd.ac.jp/mri/koushimi/shimin/index.html

オンコロの月例セミナー(毎月第4金曜日)
10月:がんの統計をどう読むか?
https://oncolo.jp/featured/omce

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2016年10月 5日 (水)

目標設定

今年も残り3か月になり、やり残していることをツラツラ考えると、やり残しどころか何も着手していないような(^^; 早寝早起きとかダイエットとか、もう言ってもムダな宣言(もはや年頭の口癖状態)はこの際置いといて、残り3か月は部屋の片づけと、「勉強してる“フリ”を直す」ことを目標にしてみた。私はどうやら「勉強してる」ようにみられることが多いのですが、実際ホントに全然まったく(なんの自慢にもなりませんが…orz)勉強していません。アレコレ情報を集めるのが好きなので、こんな本、こんなセミナー、こんな資料、こんなウェブサイト、、、などとチェックして情報をかき集めて満足してしまうので、買った本や入手した資料は積み上げたまま飾りになっているし、読了したものなんて数えるほど。。。でも勉強会仲間は、皆さん、ちゃんと勉強されている方々ばかりなので、どんどん追いつかなくなってきた。「それ聞いたことあるー」とは言えても、その中身を理解していないので説明できなかったり。理解していないから訳を間違えたり。自分ひとりだと、まぁそんなもんか、と今までは流していたけれど、他の勉強会メンバーがみんな正確に調べて理解して正しく訳しているのに私だけ訳し間違えたりすることが続くと、むむむ、コレはやばい、と思うわけです。そんなわけで、積ん読の解消、、、は日が暮れるので(何十冊あるか判らない)、とりあえず積ん読の1%解消を目標にしますっ。低レベルな目標だけど(^^;;

今日は英会話レッスンでこの記事を読んだ。比較的易しい内容だったのでそんなに引っかからずに読めました。血栓治療の話。先生がビデオを紹介してくれたのだけれど、それが素晴らしいビデオで判りやすくて感激モノでした。
Why the Go-To Stroke Drug Can Fail
http://www.scientificamerican.com/article/why-the-go-to-stroke-drug-can-fail/

次回のレッスンで読みたいと思ってるのはこちら。ちょっと長い。
http://www.scientificamerican.com/article/a-very-personal-problem/

せっかくノーベル賞のニュースがあったから何か関連記事を…と思ってガーディアンのこの記事をやろうかと思ったんだけど、サラっと読み終わって別に引っかかるところもなくレッスンに使うほどではないと感じたので、これは自分で読んだだけ。
Yoshinori Ohsumi wins Nobel prize in medicine for work on autophagy
https://www.theguardian.com/science/2016/oct/03/yoshinori-ohsumi-wins-nobel-prize-in-medicine

ノーベル医学・生理学賞って、日本語ではこういう言い方だけど、英語の記事によっては「Nobel prize in medicine」だったり、「Nobel prize in physiology」だったり、「Nobel prize in medicine or physiology」だったりでバラバラ。どれが正式なんだろう?←それほど調べる気もないので裏を取ってないだけなんですが。

オートファジーについてちょっと教科書でも読もうかと手持ちの「エッセンシャル細胞生物学」、「細胞の分子生物学」、「LIFE」の3冊を検索してみたけど、いずれもチラっと数行だけ触れられているのみであまり詳しい記載はなかった。テキストを読むというよりイラストや動画での説明がないかな~と思って検索したんですけどね。細胞の動きは動画(アニメーション)で見ると素人の私でも理解しやすいし、最近の教科書のアニメーションは本当に判りやすくて素晴らしい。特に「LIFE」のアニメーションは秀逸。こんな素晴らしい教材があちこち転がってるのに(誰でも無料で使えます。インターネット万歳)、勉強するフリしかしてない自分を反省。。。残り3か月、ちゃんと勉強します!…多分。。。

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