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2007年12月23日 (日)

憧れの人

会社で某記念パーティがあった。本社からオエライさんが大勢やってきて、昼間に社員向けにランチパーティ、その後は場所を変えて外部・プレス向けのパーティとのこと。私はいつものようにお留守番モードで、社員さんたちがみんな出掛けたあとは留守番部隊として会社に残っているものだと思い込んでいた。すると…「何やってんの、もうすぐ始まっちゃうよ」と部長に声を掛けられた。へっ、私(や他の派遣スタッフさんたち)は留守番ですよね? 「全員出席だよ、全員!」…なんだ、お留守番のほうが嬉しいんだけどな。

仕方なくランチパーティに出向く。前方に外国人がたくさん。司会進行による役員紹介のあと、本社の社長氏のスピーチが始まった。同時に司会進行役の人は引っ込み、別の人がスッとマイクの前へ。通訳さんかな? ところが社長さん、一向にスピーチを切らない。ずっとしゃべり続けている。まぁ一応は外資系だし、みんな英語は判ることになっているし、別に通訳は要らないのかもしれないけど、それじゃマイクの場所に居る人は誰なんだろう? 4~5分経って、ようやく社長氏が言葉を区切り、「誰か通訳してくれないの?」と言った(もちろん、そこで笑いが生まれたが)。「あ、私です」とマイクのところに居た人がようやく発言。「おお、それじゃ通訳頼むよ」と社長氏が言ったのはいいけれど、でもすでに5分くらいスピーチしちゃってるのに大丈夫なのかな?

そんな心配はまったくの杞憂だった。通訳さんの訳し始めた日本語のなめらかさに度肝を抜いた。5分間もの長さのスピーチなのに、冒頭からカンペキに日本語で再現されていた! すごい! こんな人がウチの会社に居たの!? それとも専門の通訳さんを頼んだんだろうか。誰だろう、誰だろう、誰だろう。ぜひぜひお話を伺いたい。

社長氏のスピーチは15分くらいだったかと思う。その後も数人の役員さんたちのスピーチがあり、さらに立食ランチパーティの合い間は当然ながら通訳さんは役員達の横でウィスパリングをしている。話し掛けたいけれどチャンスがない。と思っていたら、幸いなことにランチの途中で役員達は総引き上げ(=会議室にこもって会議だという)。ゾロゾロと役員がいなくなったあと、通訳さんは帰り支度を始めた。ということはウチの社員ではないようだ。今しかチャンスはないと思って通訳さんのところに飛んでいった。素晴らしい通訳で感激しました、と声を掛けて、どこの通訳会社からなのか伺おうとしたら、フリーランス(エージェント経由ではない)という。言いながら名刺を差し出してくださったのだが、受け取る前に、チラリと名前が見えた時点で思わず「あっ、○○市にお住まいの△△△△さん!」とフルネームで叫んでしまった。当然ながら先方も名刺をご自分の手に持ったまま「えっ!?」とビックリ(笑)。

今まで勤めた製薬会社で何度も依頼したことがあるのだ。個人で通訳をやっていらっしゃる医学専門の通訳者さん。どこの会社でも、とても上手だという評判だったので、すっかりお名前を覚えてしまった。個人通訳者なので依頼するときにはご自宅に電話を掛けていた。だから○○市という所在地まで覚えていた。でも外部での大きな会議の通訳をお願いすることが殆どだったので、私は直に通訳を聞いたことがなかったのだ(=それこそ私はお留守番部隊だったので)。そうか、この方が、あの、有名な(=私の中でという意味だが)、憧れの通訳者さんだったのか! でも先ほどのものすごく上手な通訳を思い出しながら、この方だったら判る、そうじゃないかなぁとも思っていた、こんなに上手に訳せる方もそんなにたくさんは居ないだろうと思う、やっぱり上手な人はどこでも上手なのだ、そしてどの会社からもお呼びが掛かるのだ、、、と心の中でいろんなことを思いながら、やっとお目に掛かれて感激してしまった。

いきなり住所とフルネームを言われてビックリしている通訳さんに(=そりゃあビックリするだろう、笑)、私はずっと派遣で複数の製薬会社で働いてきたこと、××年頃に◇◇社にいた頃に秘書をやっていて通訳の依頼をしたことがあること、その後も□□社にいたときにも通訳の依頼をしたことがあって、お名前を覚えていたことなどをお話した。すると、「そういえば□□社の○○さん(←私の名前)という秘書さんのことは覚えております」とおっしゃるものだから、ウソだ~!と思った。通訳をする人は皆さんリテンションが素晴らしいけれど、いくらなんでもコレは営業トークだろう。何年も前の、電話で何回か話したことがあるだけで直にお会いしたことも無い秘書のことなど覚えているハズがない(=私だったら絶対に覚えていない…人の顔と名前を覚えるのが非常に苦手なのだ…)。でも営業トークでもそう言っていただけて何だか嬉しかった。

通訳と翻訳では当然だが仕事内容はまったく違う。でも同じ医学分野で語学の専門家として仕事をしている憧れの人である。私自身がまだまったく翻訳の仕事をする前から、この分野の通訳ならこの人に、といくつもの製薬会社で名前を知られていた方だ。お会いできて良かった、お目に掛かれてお話が出来て、しかも覚えているとまで言っていただけて(ウソだとは思うけれど)、気が乗らないランチパーティだったけれど出席して本当に良かった。その日の夜のプレスパーティでも通訳をするとおっしゃっていたのだけれど、そちらは本当に私はお留守番部隊だったので(=基本的に社員は出席しないパーティだったので)華麗な通訳をもう1度拝見することはできなかった。でもまたどこかでお目に掛かれるだろうと思う。昔憧れた人が今も憧れのまま前を歩いてくださっているというのはとても幸せなこと。なにやら私は妙に幸せな気持ちになってしまった。

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コメント

おめでとうございます~。

うーん、なんだか久しぶりにイイ話を聴いた気分。

お天道様はちゃんと見てる、ってことなのかもね。

投稿: あるふぁ | 2007年12月24日 (月) 01:36

あるふぁ氏、
>なんだか久しぶりにイイ話を聴いた気分。

ありがとうございます~。覚えていると言っていただけたことも嬉しかったけれど、憧れの人の「憧れに値する姿」を見ることができて、すごーく嬉しかったです。

>お天道様はちゃんと見てる、ってことなのかもね。

わははは、そうだと良いんだけど。。。このところ荒んでいるのでねぇ。。。浮き沈み激しいですわ、ハイ。

投稿: snowberry | 2007年12月25日 (火) 04:34

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