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2007年10月12日 (金)

人海戦術

今回お引き受けしたQC作業は本当に膨大。総ページ数が2000ページ(翻訳業界の数え方ではなく、一般文書としてのページ数)を超える案件で、それを十数人の翻訳者が共同作業でチェックしていく。まさに人海戦術。私の担当箇所は約300ページほど。…のハズだったのだが、作業ファイルの半分が差し替えになり、それに伴って私の担当ページ数は少しばかり減ってくれた。もっと減ってくれても良いのだが(笑)。

今回どうしてこのQC作業をやりたかったのかと言うと、これは翻訳のQC作業ではなく、メディカルライティングのQC作業だからなのだ。おそらく翻訳エージェントさんのほうでも、こうしたQC作業というのは初めてなのではないかと思う。原文(英語)の申請資料をもとに、和文で申請資料を「新たに書き上げた」原稿との照合作業である。当然ながら文章は一致していない。原文資料から当該箇所を探し出し、内容が合っているかどうか、数値が一致しているかどうかを確認していく作業なのである。

通常の校正チェックではないので、翻訳会社のいわゆる社内チェッカー担当者にできる業務とは思われない。例えば私に割り振られた和文原稿300ページに対しては、原文(英語)資料が1600ページ分もある。その1600ページから、情報を探し出し、内容が正しいかどうかのチェック作業を行なう。原文資料には申請時の文書と生データもついている。文書の中の記載を確認し、さらに生データの数値もチェックしなければならない。社内チェッカーにはできないと思われるのは、単純な一対一の対訳チェックではないからなのだが、こんなふうにメディカルライティングの生の書類を扱わせていただくことで、エージェントさんの登録翻訳者たちはメディカルライティングとはどういうものなのかを肌で感じることができる。これは翻訳者側にとってはものすごく大きな財産だと思う。今回の人海戦術プロジェクトにぜひとも参加したかった一番の理由はそれなのだ。

いつか自分が、こういう生データを含む原文資料から、新たに文章を紡ぎあげてメディカルライティングが出来るようになるのかなぁ。う~ん、なりそうにないなぁ(笑)。今はとにかく、和文を読んでは、「原文のどこに書いてあるのか」探すのに必死。単純なキーワード検索では山ほどヒットするし(何しろ1600ページ)、あまりに絞り込みすぎるとヒットしない(=絞り込むにしても、言語が違うのだから訳語が違ったらまったく検索できないし)。原文の中のあちこちに散在するデータを拾ってひとつの文章にされていたりすると余計ややこしい。患者さんの有害事象などは原文は時系列ではないのに和文は徹底的に時系列になっているなど、文章構成的な面での違いもある。いちいち、ナルホド~とうなづきながら作業しているけれど、だんだん締め切りが近づいてきてそんな余裕もなくなってきた。ときどき数値エラーがあったりするので気を抜いたり飛ばし読みしたりというわけにもいかない。やはり、思っていた以上に…タイヘン、である。

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