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2007年9月 9日 (日)

取捨選択

この週末はおうちで論文翻訳。といっても仕事ではないので(=半分仕事みたいなものだけど)、ノンビリまったり。久しぶりにボランティア翻訳を1本仕上げなければならない。それほど急がないのでお時間のあるときにお願いします、と頼まれたのが2ヵ月以上前…。さすがに、まだでしょうか?と催促が来てしまった。当たり前だ…すみません、原稿を預かったまま年を越しそうな勢いである…。情報を待っている患者さんがいらっしゃるので…と言われると、うぉ~ゴメンナサイ、というわけで、この週末に突貫工事。仕事もそれ以外も何でも突貫工事のワタシ。。。

まぁ気持ち的には「○月×日、△時×分締め切り!」とは違うので随分とラクなのだが、作業的には今回かなり難物。論文の中身が、ということではない。論文自体は別に普段からやっていることだし、中身もいつも(=仕事)と同じように、フツーに難しい(笑)。問題は、私が内容を取捨選択しなければならないことだ。管理人さんいわく、今回の論文は、元の英文情報を提供しているサイトから全文の翻訳許諾が下りなかったというのだ。ただし部分訳(抜粋訳)ならOKと言われたそうなので、私が適宜ちょこちょことピックアップしてまとめなければならないのである。

これが難しい! もし自分が癌患者だったら、どんな小さな情報だって欲しいと思うだろうし、「通常は○○である。例外的に××がある」などの部分で、自分が「例外」に該当する症状があったら、その情報こそが必要なものだと思うだろう。しかも、今回の内容は小児癌。この情報を読むのは、小児癌の子供を持つ親である。自分のこと以上に、わが子を助けるための情報ならどんなものでも見逃したくない、と思うのではなかろうか。困ったぞ、どの情報を捨てて、どの情報を残すべきなのか。ザっと半分以下にしてください、1/3でも構いません、と言われているのだけれど、半分も捨てるのかぁ!? 始めから、この部分を訳してくれ、と言われているなら何も考えずに頭から一気に訳せばいいのだが、内容を読んで、要・不要を判断しながら訳すというのは別の意味で難しい。不要と判断した部分を必要とする患者さんがいるのでは、と思うとなかなか決められない。

この分野の論文関係の仕事には、抄録作成という業務がある。文字通り、論文(外国語)から抄録(日本語の要約)を作成する仕事だ。英文の論文1本を読んだ上で、非常に短く(1/10以下程度に)日本語でまとめる仕事で、学会の抄録集や、ネット上の論文データベースなどに収載される。医師や研究者はこの抄録を読んだ上で、必要だと判断すればフルの論文を読むわけだ。抄録作りには決まったルールがあって、イントロ、対象患者、試験方法、手技、結果、考察、などが簡潔にまとめられていれば良い。もちろん、全文を読んだ上で抄録を作成しなければならないので、それなりに時間のかかる大変な仕事では有るが。とにかく、読み手が主に医師なので研究対象としての情報が入っていれば良いと考えられるし、抄録をまとめる際もそのつもりで作成する。でも、対象が患者さんの場合もそれで良いんだろうか。

当然ながら医者じゃない私には、どの情報が特に重要で、どの情報が大したことの無いものなのか判断が付かない。患者さんが切望している情報をもれなく残してあげたい、と思うけれど、半分以下にしてくださいと言われると…う~~~~~んんんん! もともと英文というのは、無意味なことをダラダラ書かない言語だし(=その点、日本語は無意味に曖昧な文章をダラダラ書くので、まとめようと思ったらギュギュっと濃縮できることが多い)、特に科学論文では、どれも必要だから書かれているハズだ。さて困った。でも困ってても進まないので、とにかく頭から全部訳すしかない。訳して、日本語になった上で、消去法でカットしていくしかないだろうなぁ。

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