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2007年5月18日 (金)

カースト

週末は大火事の予定(=って、ものすごく変な日本語だな。予定するくらいなら大火事を回避すれば良い訳で、回避せずに大火事が来るまでボケっと待っているみたいで実にオカシイ)。まぁともかく、土日は缶詰になってひたすら翻訳しないと非常にマズイことになりそうである。そんな合い間を縫って某翻訳会社が主催するセミナーに行って来た。行くまでは、どうしよう、時間もないし、そんなヒマがあったら1ページでも多く翻訳したほうが良いんじゃなかろうか…と思っていたのだけれど、行って大正解の有意義なセミナーだった。

レクチャーしてくださった講師の先生は非常に切れ味鋭く小気味良い語り口で興味深いお話をたくさんしてくださった。その中でも「翻訳業界には完全なカースト制度が敷かれている」とおっしゃったことが印象深い。「原文から翻訳を作成する」という、一番作業量が多く、体力的にもきつく、もっとも労力を要する大変な部分を担う翻訳者の地位やレートが一番低い、と。うんうんうん!と大きく頷いてしまう私。その翻訳を叩き台として、何人もの人間が間に入って、チェックしたり書き直したり体裁を整えたりするわけだが、そういう作業のほうが翻訳料よりも何倍も高い料金で行なわれているのだという。叩き台を作るのが一番大変なハズなのに。例えるならば、更地に一戸建てを建築する料金が一番安くて、出来上がった建物にインテリアを施して見栄えを良くする仕事がもっとも料金が高いというようなものか。どう考えたってそれはおかしい、と言いたくもなる。

結局、儲けようとかラクをしようと思ったら翻訳者なんてやっていられない。根本的に、語学が好き、翻訳が好き、(私の場合は英語と日本語を扱うわけだが、英語が好き、というのも大きい)、そういう部分がなければ、翻訳業務なんて魅力的な仕事ではないだろうと思う。いわゆる便利な英語屋だったり、「言われたことだけやっていればいい」ということになる。原文に忠実な逐語訳だけをしている限り、そこから一歩先に行くことはできない。カースト制度の最下層にいると言われても(=好んでそこに居たいわけではないのだが)、翻訳が好きだから、翻訳にたずさわっていたいと思う。レートも、高いに越したことはないけれど、ボロ儲けをしたいというわけでもない。でも、より質の高い翻訳、より望まれる翻訳をしたいとは思う。ただ忠実に訳すだけではなく、顧客が望む形で納品できるようにすること、それを見据えた翻訳を目指したい。そして、それが出来れば、結果的にカースト制度の最下層から抜けることになる。

まぁ一朝一夕に出来ることではないのだが、漫然と右から左に訳しているだけではいけないなぁと思った。このところ仕事に追われて、「クライアントが求める形での翻訳」という意識が抜けかけていた。今日のセミナーで喝を入れられた気分。さて週末の大火事、気合いを入れて頑張ろう。

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