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2007年3月24日 (土)

有害事象

先日、社員教育の一環ということで副作用報告に関する研修が行なわれた。社員だけではなく、すべての従業員が対象ということで派遣スタッフも全員が参加。研修の主旨説明で聞いたのだが、なんでも、有害事象の報告遅延があったらしく、FDAから社員再教育をしなさいというお達しがあったらしい。なるほど。普段はこういう研修には参加する機会も無いので、私としては参加させてもらえてちょっと嬉しかった。ただ、この業界にあまり興味がなく、ただの派遣先として働いている派遣スタッフさんも少なからず居るだろうから、そういう人にとってはナンノコトヤラ判らない研修だっただろう。

副作用と有害事象について、ひととおり基本のおさらい的な説明の後、ではこれから練習問題をやってもらいます、と全員に問題用紙が配られた。ええっ、そんなことまでやるの?…とは言っても、こちとら「おうち仕事」で山のような症例報告(それも死亡例=重篤な有害事象報告=ばかり)を訳す案件が終わったところだ、ナニが副作用でナニが有害事象かくらいはちゃんと判ってますよ、と思いつつも問題文を読んだら…むむむむずかしい! かなりグレーゾーンというかトリッキーで判断に迷う事例ばかりが挙げられている。そりゃまぁ、そういう問題じゃなければ練習しても無意味なのだろうけれど。周囲をみると社員さんたちも皆さんかなり考え込んでいる様子。私だけじゃないんだ、ちょっとホッとする。

その後に数人ずつのグループに分かれてディスカッション。それぞれの症例が有害事象かどうか、どのようなアクションを取るべきかなどを話し合う。日ごろ色々な医療関係サイトで拾い集めている情報のおかげで、それなりにディスカッションに参加することが出来たし、私が知っているようなことを知らない社員さんも居た(=例えば、治験参加者の身に起きた、治験薬の初回投与前の段階での事象は有害事象かどうか。これは有害事象になるのだけれど、そのことを知らないという方もいらっしゃった)。その後の回答とプレゼンでは、司会担当(=出題担当)の社員さんがかなり細かく厳しくチェックを入れて、しどろもどろになる社員さん続出。最後に、とにかく報告を怠らないでください、社員でも派遣でもアルバイトでも関係なく、自分が情報を見聞きした時点で必ず報告して下さい、という話で研修は終わった。ああそうか、私も、どこかで(=会社の製品に関わる有害事象を)見聞きしたら、それを報告しなければならないんだな、だから全従業員対象の研修だったのか(=とようやく気が付く私)。そういう認識が欠落・不足・あるいは薄れると、報告の遅延ということになってしまい、お上からお叱りを受ける…ということなのだな。

私は会社ではほとんど副作用関係の部門とは関係のない仕事をしているので、現実問題として、会社内で副作用や有害事象に関わることはおそらく100%無い。患者さんや医師からの苦情電話を取るということもないし、プロジェクト付きの仕事をしているので、当該プロジェクト製品以外の情報に接することも無いため、他の製品の文献や症例報告を見ることもない。当該プロジェクトにしても、ひたすらプロトコールを訳しているので、有害事象に遭遇することもない。けれども今回は、たまたま「おうち仕事」で症例報告と山のような有害事象を訳したばかりだったので、ものすごく興味深い研修だったし、有害事象報告の裏には、こうして様々な製薬会社の人たちが動いているんだなぁというのを現実に目にすることができて、非常に良い機会だった。

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