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2007年3月23日 (金)

計算方法

うなりながらも先日なんとか仕上げて納品したおうち仕事の翻訳料金についてエージェントさんからご連絡をいただいた。元々その案件に取り掛かる際の翻訳料についてはかなり曖昧な話だった。実質的な翻訳以外にも種々雑多な作業が発生する案件だったので、そういった作業も込みの仕事になっており、その作業がどれくらいになるのかやってみないと判らない、だから料金についてはあとで計算する、という話だった。そして納品後にこうして金額のご連絡をいただいたワケだけれど、かなりザックリとした計算のようで、実のところ、どうやってこの金額になるのやらサッパリ判らない。

私は基本的に仕事に取り掛かる前に諸条件がキッチリ決まっていないというのは気持ち悪くて好きではない。翻訳のおうち仕事をスタートしたとき、一番最初にお取り引きをしていただいたエージェントさんは、たまたま「原稿ベース」の料金提示だったので、すっかりそのクセが身についてしまった所為ということもある。原文で○文字・○ワードなので翻訳料金はいくらです、というのが最初に判っていれば、あとはどう訳そうと料金が変わることは無い。その後、そういう原文ベースの支払いは実は少数派であり、翻訳業界では大多数が「仕上がり(納品)ベース」だということが判ったのだが、いまだにこの方式には馴染めない。仕上がりベースだと、仕事に取り掛かる段階では翻訳料金が正確に判らないし、訳しながら「長めの表現で訳せば、余計に翻訳料金がもらえる」という考えだって頭をかすめてしまう。実際、自分が「会社仕事」をしていて、外注に出した翻訳をチェックする際に無意味に長ったらしい訳文に遭遇すると、「長く訳して余計に稼ごうとしてるな~」と思ったりする(=そして、そういう「無意味に長ったらしい訳文」というのがかなり多いのも事実なのである)。

この「仕上がりベース」という計算方法は、一昔前の、作家が万年筆で原稿用紙を埋めていた時代の出版社の名残りがそのまま今も生きているという話をどこかで聞いたのだが、つくづく実情に合わないやり方だと思う。そもそも「執筆」と「翻訳」はベツモノだし、「出版」と「実務翻訳」もベツモノだし、なんと言っても時代が違う。万年筆で原稿用紙に翻訳しているワケではないのだから。翻訳業界のスタンダードとして原文ベースで計算するようになってくれないものかなぁと思ってしまう。私がお取り引きいただいているエージェントさんの中で、海外ベースのところは和文英訳も英文和訳もどちらも原文ベースなので、お寿司屋さんの「明朗会計」とでも言うか、非常にスッキリした気持ちで案件を引き受けられる。他もそうだと良いんだけどなぁ。

くだんのエージェントさんからの提示料金に不満があるわけではない。思っていた以上に作業料を高く計算してくださったらしく、当初に考えていたよりも多めに報酬をいただけることになった。それは非常にありがたいのだけれど、ただ、計算方法が皆目判らなくて、うーんうーん、どこをどう計算してこういう料金になったのかなぁ、と謎のままだ。この業界、多かれ少なかれみんなそうなんだろうか。在宅翻訳者のみなさんは、こういう曖昧なやり方に疑問をいだいたりしないのかなぁ。私はどうも馴染めないなぁ。

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