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2006年8月17日 (木)

納期破り

このところ会社で英訳案件が大量に発生しているので、数社のエージェントさんに分散して外注している。エージェントさんにお願いしているものもあれば、個人のフリーランス翻訳者さんに直接お願いしている案件もあるらしい。英訳ということもあって、海外在住のネイティブ翻訳者さんにダイレクトにお願いしているものもあり、納品されてきたものを読ませていただくと、さすがに英語が自然で、読みながらフムフムと思うことも多い。

今日はちょっとすごいことがあったのだ。さてフリーランスの翻訳者にとって訳稿を納品する期限である締め切り、つまり納期はどれくらい大事なものなのだろうか。常識的に考えると「ものすごく」大事だろうと思う。いや「ものすごく」なんて甘っちょろいものではなく、納期厳守、納期死守、何が何でも納期は絶対、というのが普通ではなかろうか。もちろん、ある程度まとまった分量の案件で、ある程度まとまった期間が与えられている場合、途中経過の段階で、これは納期がヤバそうだということが早めに判れば、その時点でエージェントさんに相談して、相談の結果、納期を延ばしてもらうことが出来ればそれはそれで良いと思うけれど、これが例えば、明日までという仕事で、突然「できません」ということになったら、、、どうなっちゃうんでしょうかね。

明日までという条件で海外在住のネイティブ翻訳者さんにお願いしていた案件が宙に浮いてしまったらしいのだ。そのネイティブ翻訳者さんから連絡が来て、××(地名)に住んでいる○○(親戚)が亡くなったのでお葬式に出席するために週明けまで翻訳作業ができなくなったウンヌン、、、というメールが来たとかで。その話を社員さんから聞いた私たち翻訳スタッフは、その社員さんが姿を消すやいなや、みんなで「絶対にウソだ!」と大騒ぎ。フリーランスの翻訳者なら這ってでも仕上げて納品しろだの、地球の裏側で葬式があったってノートパソコン持って移動すれば仕事できるだろう、だの、まぁ、言いたい放題だったわけですが(笑)、でも、やっぱり、そういう理由をつけて納期を落とすというのは、ちょっと仁義にもとる気がする。だったら正直に間に合わないと言うほうがまだ良心的というか。その翻訳者さんは△△州に住んでいてお葬式は××州だから、これを移動すると、、、と誰かがネットで地図を確認しながら計算し始めた。車だと3日ほど掛かる距離だとか。ふ~ん、今から3日間、自分で車を運転して移動するんですかね、お葬式は終わっちゃってるだろうね。じゃあ飛行機? テロ事件でパソコンなんか持ち込めないから飛行機の中で仕事は出来ない? でもやっぱり言い訳臭くて、そのうち誰かが「もっと条件の良い急ぎの仕事が入ったんじゃない? 土日でやってくれ、みたいな」と言い出して、それだっ!という話でまたまた盛り上がってしまった。。。

本当の理由なんかどうでも良いし、お葬式が本当かウソかもどうでも良いのだが、肝心なのは、依頼していた翻訳が締め切りに間に合わないということ。私たち社内翻訳スタッフにその分を丸投げされるのかと一瞬みんなに緊張が走ったけれど(=しかもかなり難易度が高いものらしいのだ)、結局そんな話は出なかった。別の外注先にお願いしたんだろうか。依頼された翻訳者さんは大変だろうな。それにしても、こんな形で納期を落とすフリーランス翻訳者がいるのかと驚いてしまった。それとも実力があれば多少は仁義を破るようなことをしても仕事が途切れたりはしないものなんだろうか。私がそんなことしたら、すぐにお払い箱確定だろうけどなぁ。

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コメント

納期ねぇ。いろいろ考えてしまいます。。

かつて勤めていた職場のボスは、御父様が亡くなられたとき、
お通夜を終えたあと仕事場へ戻り、期限が迫っている
案件を黙々とこなしていました。その姿は、実際に
期限が近かったせいもあるけど、ある意味、気分を切り替える
意味もあったのかなぁ、などと思ったりしました。

プロたるもの、仕事に穴を空けることは許されないはず。
いやま、許すか許さないかは、人がどうこうではなく、
自分自身の問題だろうから、外野がとやかく言うことでは
ないんでしょうね。

投稿: あるふぁ | 2006年8月19日 (土) 02:17

>人がどうこうではなく、自分自身の問題だろうから

そうですねー。だから逆に、その人にとってのプライオリティがハッキリと判る機会でもありますね。今回の場合は、ご本人にとって仕事の優先度が低いことをハッキリと周囲に宣言したようなものですから。お勤めの場合とフリーランスの場合はまた状況が変わると思いますが、フリーランスでここまであからさまに優先順位が低いことを示しちゃって大丈夫なんだろうか?と思いましたね。

お勤めの場合だと、周囲の人にフォローしてもらえたりも出来るだろうと思うんですけどね(=それを当てにしているという意味ではなく、こういうときに互いにフォローしあえないような職場なんてマトモじゃないと思っているので、周囲も進んでフォローすべきだと思うのですわ)。フリーランスはそれがない分、自分で自分の仕事に始末をつけなきゃならんのですもんね。

投稿: snowberry | 2006年8月20日 (日) 01:03

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