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2006年7月21日 (金)

スタイル

ダイエットの話ではありません(=それはそれで私にとっては重要な課題であるが)。今日はスタイルガイドの話。日本語では、国語の授業で書く作文には特に厳密な決まりらしいものはあまりなかったように思う。そもそも日本語なんて縦に書いても横に書いても斜めに書いても読めるし通じるし、そういう意味では守備範囲が広く応用が利いて比較的野放しというか自由自在な言語なのだと思う。ポスターに日本語を配置するときなど、デザインの一部として本当に好き勝手に書いても大丈夫だ。でも英語(他の言語についてはよく判らない)の場合は書き方の制限があるし、これが作文ともなると書き方には一定の決まりがあって、違反すると良い成績は取れない。中学生や高校生の「国語(=つまり英語)」の作文でさえそうなのだから、大学レベルでエッセイや論文を書くとなったら、「リサーチペーパーの書き方」なる教科書と首っ引きで、句読点ひとつ間違えないように書かないと、まともな点数をもらえなくなってしまう。ろくに教科書など開かない私も、あの本だけは繰り返し何度も開いた。せっかく苦心して書いたエッセイなのに、引用文献の書き方を間違えただけで採点不可などといって突き返されたらたまったものではない。

学生レベルの英作文でこれなのだから、仕事としての英文ライティングの規則は当然もっと厳しい。日本語の作文の感覚のままだと、ライティングのスタイルなどさほど重要ではないと思いがちだけれど、スタイルの重要性は、日本語の作文と英作文ではまったく違うと思う(というより、そもそも日本語の作文にはスタイルなど無いのではなかろうか)。個人的には英検1級の筆記試験にエッセイが導入されるようになって非常に良かったと思っている。英語圏で常識とされている英文ライティングのスタイルを知っておくことは語学的文化的な理解という点でキーファクターであるとさえ言えると思うからだ。

英文ライティングのスタイルとは視点が異なるけれど、翻訳する際にもスタイルガイドが存在する。翻訳エージェントさんが指定する訳稿の仕上げに関する規定のようなものだ。翻訳を仕上げる際には、翻訳の質自体はもちろん大事だけれど、今や電子納品のご時勢、スタイルガイドを遵守していることもとても大事。ページ余白、書式設定、フォント、行間、数字や記号、カッコや句読点、和訳の場合は送り仮名、原則ひらがなにすべき表記や原則漢字扱いにする表記などなど。テキストファイルでのベタ打ち納品であれば余白や書式設定は不要だろうけれど、数字、記号、カッコ、半角スペースの扱い、表記の統一など、翻訳者がチェックしなければならない部分も多々ある。別にスタイル遵守をしようがしまいが、訳文の上手下手には関係ないと言ってしまえばそれまでだが、訳稿を受け取った翻訳エージェントは、他の訳者さんからの原稿も合わせて、統一スタイルにしなければならないハズである。同一案件を分割したものであれば当然の作業だろうし、そうではなくても、仮にお得意様からの依頼案件だとしたら、担当した翻訳者が前回と異なるからと言って毎回バラバラのスタイルで納品するわけにはいかないだろう。スタイル統一は、訳文という視点とは異なる意味で、最終成果物としての翻訳の質を高めることになる(・・・と、こんな翻訳者にとって常識的なことを私がこんなところで書いても青臭いだけなのだが)。

数日前に頼まれたまま保留状態だったボランティア翻訳の校正を一気に仕上げた。あぅーこの訳者さん、スタイルガイド全然見てないなぁ、、、、、と思いながらバシバシ直しを入れる。ガイド送ってるんだからちゃんと見てくれー、と思いつつ、はて私も自分で翻訳してるときにちゃんと遵守してるんかいな。人の間違いを直すのは簡単だけど自分の間違いに気付くのは難しいものだ。

先日MITA会で紹介されたスタイルガイドに関する資料:
http://www.icmje.org/sponsor.htm
http://www.gpp-guidelines.org/
http://bmj.bmjjournals.com/advice/article_submission.shtml#role1

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